第二十八話 長崎での生活その一
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第二十八話 長崎での生活
優花は高校に編入し長崎においての新しい生活をはじめた、彼女の周りにはいつも女の子達がいてだった。
優花自身のことや神戸のことを聞いてきた、その彼女を見て男子生徒達も言った。
「蓮見って娘女子に人気あるな」
「可愛いから俺達が話したいのにな」
「周りにいつも女子がいて近付けないぞ」
「これは困ったな」
実際にそうした顔で話していた、優花と彼女の周りにいるその女子達を見つつ。
「美術部に入ったみたいだな」
「ああ、絵かなり上手らしいぞ」
「しかも家庭科の時間で凄い美味いお菓子作ったらしいな」
「へえ、料理上手でもあるのか」
「それはいいな」
「制服が破れた娘のその服縫ったりもしたらしいな」
刺繍も出来るというのだ。
「そっちも上手でな」
「おいおい、刺繍も出来るのか」
「女子力高いな」
「しかも穏やかで優しいらしくてな」
性格のことも話される。
「性格かなりいいらしくて」
「それでか」
「そっちでも人気あるんだな」
「そうなんだな」
「そうらしいな、それでな」
その女子力と性格のせいでというのだ。
「女子に人気らしいな」
「ああしてか」
「大人気なんだな」
「同性に好かれるタイプなんだな」
「そうみたいだな」
「けれどそのせいでな」
男子生徒達は優花とその周りを苦々しげに見て言うのだった。
「俺達が声かけられないな」
「話出来ないな」
「どけよ、たまには」
「あんな可愛い娘独占するなよ」
「全くだ」
わりかし本気で言う彼等だった。
「こうした時同性強いな」
「だよな、気兼ねなく会話出来るからな」
「けれどそのせいで俺達は近寄れない」
「参ったな、これは」
「どうしたものかな」
彼等は残念がるがしかしだった。
そのまま近寄れず機会を伺っていてもどうしてもそれが出来ず困っていた。だが優花はその彼等を見てだった。
女子達にだ、こう言ったのだった。
「ねえ」
「ねえ?」
「ねえっていうと?」
「男の子達がね」
「どうしたの?」
「一体」
「私の方見てるけれど」
それでというのだ。
「ちょっと男の子達とお話したいけれど」
「あっ、そうなの」
「じゃあ」
「ええ、いいわよね」
「気をつけてね」
茶髪のショートヘアの娘が笑って優花に言った。
「うちの男連中って理性ないから」
「えっ、そうなの」
「そうよ、ドスケベばかりだから」
それでというのだ。
「蓮見さんみたいな娘はね」
「襲われるとか」
「そうかもね」
「それはちょっと」
「だから私達も一緒だから」
笑って一緒にいることを申し出たのだった。
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