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トラベル・トラベル・ポケモン世界
16話目 漆黒の者(裏)
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手を惑わすアブソルが勝っている状態である。
 エレナ側が有利である。

 ジュカインVS軟体溶岩マグカルゴ。
 “タネマシンガン”で連射するジュカインと、“はじけるほのお”で攻撃する軟体溶岩マグカルゴによる遠距離攻撃の撃ち合いが展開されている。先ほどの“にほんばれ”の影響で空気が乾燥しており、“はじけるほのお”の威力がとにかく強い。さらに、放たれた炎は地面に当たると広範囲に飛び散るため、ジュカインは敵の攻撃を避けきることができない。
 エレナ側が不利である。

 チルタリスVS烈火鳥ファイアロー。
 “みだれづき”を当てるために相手を追うチルタリスと、逃げながら“ソーラービーム”を撃つ烈火鳥ファイアローによる空の戦いである。烈火鳥ファイアローは非常に素早く、チルタリスは1度も攻撃を当てられていない。
 エレナ側が不利である。

(不利な戦場を何とかするべきね、手段はあるわ)
 エレナが新たな指示を出す。
「ジュカイン、“こうそくいどう”をしてから戦って! チルタリスは回避が優先、相手が攻撃してこない時だけ追って!」
 ジュカインは“こうそくいどう”で素早さを大幅に上昇させた。動きが速くなったことで、軟体溶岩マグカルゴの“はじけるほのお”を避けやすくなり、さらに相手の動きの隙をついて攻撃を当てやすくなった。
 チルタリスは回避行動を優先することによって、烈火鳥ファイアローの“ソーラービーム”が当たらなくなる。これは時間稼ぎの意味が強い。さらにチルタリスは、相手の隙は狙うというポーズは続けているので、相手はチルタリスを無視して他のポケモンに“ソーラービーム”を撃つことはできない。
 こうして戦況に変化が生じた。

 アブソルVS赤花ラフレシア。エレナ側が有利である。
 ジュカインVS軟体溶岩マグカルゴ。互角である。
 チルタリスVS烈火鳥ファイアロー。互角である。

(後はアブソルがラフレシアを倒すのを待つだけね。ラフレシアを倒し次第、アブソルを他の戦場にまわして残りも撃破すればいいわ)
 エレナは勝利への見通しが立ったことで少し気持ちに余裕が生まれた。視線を戦場だけでなく、敵トレーナーであるシャルラへ向ける。
 しかし、エレナが見たシャルラの表情は余裕に満ちあふれており、とても追い詰められている者の表情とはエレナには思えなかった。
 エレナはシャルラと目が合った。シャルラが余裕の態度でエレナに話しかける。
「あらあら、あなたのその表情……このままいけば勝てるって思ってる顔ねえ。言っておくけど、(わたくし)はまだ全然本気を出してないのよ? あっさり勝負がついてしまったら暇が潰せないからねえ」
 シャルラは戦況をひと通り見た後で言葉を続ける。
「こんな戦況、簡単にひっくり返すことができるのよ? ちょっとだけ
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