16話目 漆黒の者(裏)
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今! ああ、ジュカインは囲まれる前に退いて! チルタリス、攻撃は今よ!」
黒服の者たちのポケモンを相手に戦っているエレナだが、予想以上にポケモンへの指示に苦労していた。
トラベル地方のポケモンバトルは、ポケモンを1体ずつ戦わせるシングルバトルが主流であり、エレナは同時に3体ものポケモンに指示を出すことに慣れていなかった。
さらに、エレナは自分のポケモンにきっちりと細かく指示を出すトレーナーである。指示する対象が増えれば、労力の増加も大きい。普段から指示は適当で場合によっては指示を放棄するグレイとは違うのである。
「あなたたち、そんな子供1人に何をモタモタやってるのかしら?」
エレナが黒服の者たちのポケモンを5体倒した時、黒服の者たちの後ろからそう声がかけられた。
エレナがそちらに視線を向けると、漆黒色の服に合わない派手な装飾をつけている女が歩いてくる。女は隣にラフレシアというポケモンを連れている。
ラフレシアは、青い1頭身の体で頭に巨大な赤い花を載せている外見で、草タイプかつ毒タイプの、フラワーポケモンである。
派手は装飾の女が口を開く。
「あのねえ……あなたたち、これから戦闘を控えているっていうのに、大事な戦力を無駄にしたらダメでしょう?」
「申し訳ありません……しかし、この子供がなかなかに強くてですね……」
派手な装飾の女はエレナを一瞥してから、他の黒服の者に指示を出す。
「あなたたちは、各自持ち場に戻りなさい。あの子供は私が何とかするから」
「お手数おかけします……」
一連のやり取りをした後、黒服の者たちは戦闘用のポケモンを戻し、再び森を焼く作業に戻っていった。
派手な装飾の女は、余裕の態度でエレナと対峙する。
この女がこの場で1番偉い人物と結論付けていたエレナは、女に質問を飛ばす。
「何のために森を焼いているんですか? アタシはその理由を知りたくてここに来たんです」
「理由? 今は話せないわねえ。 ただ1つ言える事は……善良そうなあなたが納得するような理由ではないでしょうねえ。環境を守るための伐採とか、そういう類の話じゃないから」
理由を話さない女に対して、エレナは強気に脅す。
「無意味な環境破壊は通報されても仕方ない事ですよ? なんならアタシが通報しましょうか? アナタたちの目的を知らないアタシには、ただの無意味な環境破壊にしか見えませんから」
「あらあら、あなたが警察に連絡してくれるの? それはそれで構わないわよ? 今すぐにでもやればいいわ」
女の言葉を聞いたエレナは、多機能な携帯端末ポケナビを取り出して、通報する素振りを見せるが、女は一向に動じない。ついに本気で通報し、警察と実際に会話しても女の態度は崩れなかった。
警察からは「あなたはすぐに現場から
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