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トラベル・トラベル・ポケモン世界
16話目 漆黒の者(裏)
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がポケモントレーナーで良かったぜ……さすがに、かよわい女の子に暴力をふるう大人の男になるってのは、任務のためとは言え気がひけるからな」
 さらに男は続ける。
「ポケモントレーナーっていうのは、聞き分けが良くて助かるんだよ。人間に直接暴力を振るわなくてもポケモンを倒せば素直に退いてくれる。ポケモンの恐ろしさを知っている、聞き分けの良い人種だ。頭がお花畑で『ポケモンは友達、ポケモンが人間を傷つける訳がない』って信じてる奴が一番めんどくさいんだ。痛い目を見ないと分からないからな」
 途中からは男の愚痴話になっていたが、とにかくポケモンの武力行使でお前を追い出すという男の宣言である。
「デルビル! “ひのこ”!」
 男はデルビルに炎タイプの特殊攻撃技“ひのこ”を指示した。デルビルの口から小さな火の球が放たれる。
「右! そこ“つじぎり”!」
 エレナの指示で、アブソルは火の球を避けてから素早くデルビルに近づき、刃の角でデルビルを切り裂いた。アブソルの攻撃はデルビルの急所をとらえ、デルビルを一撃で戦闘不能にした。
「はあ!? めちゃくちゃ強いじゃねーか! 子供と思って油断したぜ!」
 男はさらに新たなポケモンを2体繰り出し、ポケモンにその場を任せて仲間を呼びにいった。
 エレナが2体のポケモンを倒すと、男が仲間を引き連れて戻ってきた。
「おい、なんで焼却用のポケモンを倒されてんだよ! 戦う時は戦闘用のポケモンで戦えって言われただろ!」
「焼却係がまさか一撃で倒されるなんて思わなかったんだよ! それに、もう戦闘用の2体だって倒されてるじゃんかよ! 予想できる訳ないだろ!」
 そんな事を言い争いながら、黒服の者たちは次々とポケモンを繰り出した。
 対するエレナも、これから始まる戦闘に向けて備えを始める。
「アブソル、“つるぎのまい”よ。ジュカインとチルタリスも出てきて」
 エレナは、自分の攻撃力を大幅に上昇させる技“つるぎのまい”をアブソルに指示し、さらにモンスターボールを2つ取り出した。
 “つるぎのまい”の効果で、アブソルの攻撃力はぐーんと上がった。さらにアブソルの隣には2体のポケモンが現れる。
 まず、二足歩行する恐竜のような緑色のポケモン、草タイプで、みつりんポケモンのジュカイン。
 それから、雲のような綿のような白くてフワフワした翼に、空色の体をもつ鳥のようなポケモン、ドラゴンタイプかつ飛行タイプで、ハミングポケモンのチルタリス。
 本当はエレナは、もう1体ポケモンを所持しているのだが、出会ってからあまり時間が経っておらず未熟なポケモンなので、この場で出すことはしなかった。
「アブソル、ジュカイン、チルタリス! 行くわよ」
 エレナは自分のポケモンに呼びかけ、指示を出し始めた。



「アブソル後ろ! 避けて、
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