16話目 漆黒の者(裏)
[3/18]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ている身で……我々の一存では変えられませんよ」
「そんな事、分かってるわよ! 退屈な時間を紛らわそうとしてるのに、退屈な返答をしないでちょうだい!」
「申し訳ありません……」
2人のやりとりを耳にしていたエレナは、先ほどの自分の直観が間違っていなかった事が分かった。大きな声で喋り続ける女は、まるで自分が女王様であるかのような振る舞いをしている。
漆黒色の服に似合わない派手な装飾も、女王様気質な女の性格を知った後だと、むしろ違和感が無いようにエレナには思えた。
女はなお喋り続ける。
「だいたい! なんでB級戦闘員のアークちゃんがメイン任務の護衛で! A級戦闘員であるこの私が裏方任務の護衛なのかしら!? どうなってるのよ! この組織は!?」
「お言葉ですが……今回の任務に限って言えば、メイン任務の方に戦力はほとんど要りません……シャルラ様ほどの戦力を遊び駒にするという選択肢は無いかと……」
「メインに戦力が要らない!? それは私たちが頑張るから要らないんでしょう? 何よ、最初から楽な任務みたいに言っちゃって! 私たちの偉大な働きによってメインに戦力が要らなくなるの!」
「申し訳ありません……」
「だいたい! なんでこんなに回りくどい作戦立てるのかしら!? A級戦闘員であるこの私が幸運の家に直接行って、モノの確保も戦闘も両方こなせば良いでしょう?」
「シャルラ様には戦闘に集中して欲しいとのことで……」
「何よ…れ! だい…いメインの連中…失敗し…ら、この苦…は無駄に…るわよね!?」
「大…た戦闘も無…、モ…の確保…けで失…する…は思え…せんが……」
漆黒色の服の集団は崖の下を通り過ぎていき、2人の会話もエレナには聞こえなくなっていった。
(戦力とか、戦闘員とか、モノの確保とか、何をやる人たちなのかしら? 害ポケモン駆除でもやるのかしら? 外来種の凶悪なポケモンが巣を作ってタマゴを生んでしまって、親の駆除とタマゴの確保をするとか……そういう感じかしら?)
エレナは得られた会話内容から、適当にそう結論付けた。
木々の密度が少なく、動物もポケモンもそんなに多いように見えないこの森で、それほど危険なポケモンがいるとはエレナには思えなかった。
しかし、黒服の集団が何者であるか大して興味が無いエレナは、それ以上深く考えることはなかった。
「さあ、アブソル。技の練習、続きをやりましょう」
エレナはアブソルにそう声をかけた。
エレナが黒服の集団を見てから、しばらく時間が経っていた。
突然、エレナがいる場所の近くの方で激しい爆発音が聞こえた。
アブソルに技の練習をさせていたエレナは、爆発音が聞こえた方向に視線をやった。視線の先では、炎と煙が上がっているのが
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ