16話目 漆黒の者(裏)
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……あの小娘にマグカルゴちゃんを倒されたせいで、こいつら相手に苦戦しちゃったじゃないのよ。苦戦したせいでファイアローちゃんまで倒されちゃうし……」
シャルラは独り言でそう文句を言った。
「まあ、勝てたから全て良しとしましょうかねえ」
シャルラは、目の前で倒れている大勢の治安組織の隊員とポケモンを見ながらそう呟いた。シャルラの隣にも、ライフ団のポケモンが大勢倒れていた。
治安組織との戦いが終わり、やることが無くなったシャルラは、先ほどのエレナとの戦いを思い出していた。
(あの小娘が、自分のリザードを攻撃するようアブソルに指示した時は何事かと思ったけど、今にして思えば、ピンチになると炎の威力が上がるっていうリザードの特性「もうか」を利用したのね)
シャルラは回想を続ける。
(マグカルゴが倒される前、ジュカインの攻撃力が上がったのも同じね。ピンチだったから特性「しんりょく」で草の威力が上がったのね。計算か偶然か知らないけど、なかなか興味がわくトレーナーだったわね)
「でも、まだまだ未熟よ小娘。戦闘の最中に自分が狙われているって意識が全然無いのよねえ……善良なトレーナーとの真剣なポケモンバトルならそれでもいいけど、世の中には悪いトレーナーだっているのよ。私のようにねえ……」
いつの間にか思っている事を口に出して喋っていたシャルラの元に、ライフ団のしたっぱ団員がやってきた。
「シャルラ様、報告があります」
「何かしら?」
「アーク様が、幸運の家にてラッキーの奪取に失敗したとの情報が入りました」
「はあ!?」
シャルラは思わず声をあげた。
「失敗!? どういう事よ? アークと直接会話させなさい!」
「それが、情報はラッキーの奪取に向かった班からのものでなく、偵察部からのものであります。偵察部によりますと、アーク様は手持ちポケモンを全て倒され、現在は拘束されているとのことです」
「どういうことよ? この一帯を担当する治安組織は、私たちの目の前に今倒れているでしょう? アークは誰に負けたのよ?」
「それが……たまたま居合わせた子供のトレーナーに負けたとの情報です」
「なによそれ。情けないわねえ」
言いながらもシャルラは、自分も子供のトレーナーにポケモンを1体倒されている事を思い出し、腹が立ってきた。
「シャルラ様、アーク様の救出に向かいますか?」
「何? 私たちが行くの? 今から? なんで?」
「ポケモンに勝てるのはポケモンだけです。アーク様に勝ったトレーナーは当然、戦闘可能なポケモンを所持しているはず。現在、戦闘可能なポケモンを所持している班は我々の班だけであります」
「……」
シャルラは少し考え、結論を出す。
「無理よ。どうせ治安組織は、もっと遠くの危険地域を担当して
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