16話目 漆黒の者(裏)
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白そうにエレナに話しかける。
「ふふ……小娘、エレザードの“パラボラチャージ”をくらった感想はどんなものかしら? さて、生き残りを始末しようかしらねえ……じゃあエレザード、アブソルに“はかいこうせん”よ」
(避けて……アブソル……)
エレナは指示しようとしたが、全身が硬直して声が出ない。
電気蜥蜴エレザードは、これでもかという程にアブソルに接近し、アブソルの“つじぎり”と“サイコカッター”を受けようが気にせずに自分の口をアブソルの体に押し付け、口から圧倒的な威力の光線を撃ち出した。
辺りは凄まじい光にあふれ、光が収まった時にはアブソルは遠くで倒れていた。電気蜥蜴エレザードとアブソルを結ぶ一直線上には一切の木が存在せず、一直線に地面がえぐれて道ができていた。
「ご苦労様エレザード。まあ、あんな雑魚たちの相手なら当然の結果でしょうけど、一応褒めておくわねエレザード」
言いながらシャルラは、倒れているエレナの方を見る。
「どう? 私の本気を思い知ったかしら?」
シャルラが勝ち誇った顔でエレナに言葉をかけた。
「大丈夫ですか? すぐに病院に着きますからね」
エレナのアブソルが倒された直後、治安組織のポケモントレーナー達が焼けている森の現場に到着した。
現在エレナは、治安組織の1人に連れられて現場を離れている最中である。倒されたエレナのポケモンは全て治安組織の隊員が回収してくれた。
(全力で戦った。なのに全然勝てなかった……アタシは、同期のラボ・チルドレンの中ではトップクラスの実力がある……でも、それが何になるっていうの? 世界には強くて悪いトレーナーなんていくらでもいる。ラボ・チルドレンの中でトップクラスだったとしても、何も解決できないのでは全く意味がないわ)
ポケモンを悪事に使うような者に敗北したことは、エレナにとって非常にショックなことであり、屈辱的なことであった。
また、治安組織の隊員に連れられている今の状況も、エレナにとっては心苦しい事である。
(アタシのせいで、この人は戦線を離れなければならない……アタシのせいで、治安組織の戦力が1人分少なくなっているのよね……)
治安組織への申し訳ない気持ち、悪人に敗北したことの悔しさ、自分を信じて戦ってくれたポケモンへの罪悪感、様々な負の感情が渦巻いてエレナの頭の中はぐちゃぐちゃになっていた。
(ラボ・チルドレンの中でどうとか、そんな小さいことじゃあダメよ! 物事を解決するためには、もっと強くならないと……! もっと、強い力が欲しい……! ライフ団のシャルラにも勝てるほどの力が欲しい……!)
この苦い敗北の経験は、エレナの考えに変化をもたらすことになった。
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「まったく
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