16話目 漆黒の者(裏)
[13/18]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
アはリザードと戦いながらも時々“ギガドレイン”をアブソルに向けて放ってくる。リザードと赤花ラフレシアの実力差は大きく、リザードもダメージが大きい。
ジュカインも、軟体溶岩マグカルゴの“はじけるほのお”で飛び散った炎を少しずつ受け、ダメージが溜っている。
(アタシのポケモンはもう皆ボロボロだわ……相手のマグカルゴは体力が減ってはいるけど、アタシのポケモンが倒れるのが先ね……)
状況はエレナにとって絶望であった。
そんな絶望の状況の中で、エレナは1つの可能性を思い出した。このまま何もしなければ負ける状況である。エレナはその可能性に賭けるかけることにした。
「アブソル! “つじぎり”でファイアローを止めて、“サイコカッター”でマグカルゴを攻撃!」
先ほど練習していた、2つの技を同時に操る技術である。
「大丈夫、アナタなら絶対にできるわ!」
エレナに励まされ、アブソルは静かに実行に移す。アブソルは、激しい炎をまとって迫りくる烈火鳥ファイアローを“つじぎり”で受け止める。同時に“サイコカッター”を軟体溶岩マグカルゴに向けて飛ばした。
シャルラが感心した様子を見せる。
「へえ、2つの技を同時に操るなんて……あなたのジュカインもそうだけど、どこでそんな技術を習得したのかしら? でも、それだけじゃあ状況は変わらないわねえ」
烈火鳥ファイアローを止めたが、アブソルを攻撃する者は他にもいる。赤花ラフレシアである。
エレナは、次なる作戦実行のためにリザードに真剣に語りかける。
「リザード、今からアタシが出す命令を聞いて欲しいの」
語り終え、エレナは作戦を実行するべく指示を出す。
「アブソル、1発だけ全力で“サイコカッター”をリザードに放って! リザードはそれを受け止めて!」
リザードは驚いた顔でエレナを見る。
「リザード! アタシを信じて!」
エレナの真剣な表情を見て、リザードは覚悟を決めた様子を見せた。アブソルは最初から動揺することなく既に全力の“サイコカッター”を放っていた。
その一連の様子を、シャルラは『気でも狂ったのかしら?』という表情で見ていた。
アブソルの全力の“サイコカッター”がリザードに直撃する。リザードは大きなダメージを受けてよろめく。
エレナが再び指示する。
「リザード! “ほのおのキバ”でラフレシアを攻撃! お願い、今だけは何としてでもラフレシアを止めて!」
リザードは再び“ほのおのキバ”で赤花ラフレシアを攻撃する。
「ラフレシア、さっきまでと同じよ。“ギガドレイン”でさっさとリザードをどかして、アブソルに攻撃するの」
シャルラの指示で、赤花ラフレシアは“ギガドレイン”を放つ。
しかし先ほどとは違い、リザードの“ほのおのキバ”は凄まじい勢いで激しく燃え盛っていた。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ