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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第六十一話 暗雲が立ち込めています。
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光の中を歩んでいきたいと思っています。多少権謀算術を弄することになろうと、本質はそのような姿勢でありたい。それだけ申し上げれば充分でしょう。」
それに、とラインハルトは言葉を続けて、
「私が自らの私利私欲のためにブラウンシュヴァイク公とリッテンハイム侯爵のどちらを利用するだけ利用して捨て去ってしまう策を仮に取ってしまえば、歯止めが利かなくなります。敵だけならまだいい。それが味方を、民衆を、そしてキルヒアイスや姉上たちまでを平然と利用して顧みなくなった時、私は私でいられるのでしょうか?」
答えは、否だ。と、ラインハルトは結んだ。
「ミューゼル大将閣下のおっしゃる通りだと思います。効率的、能率的、効果的、そういう面を最大限に突き詰めていけば、手っ取り早い方法を選ぶことができます。でも、私たちは人間ですし、相手も人間です。1プラス1を2であると受け入れることのできる人はどれだけいるでしょうか?その答えが自分たちにとって受け入れがたいものであった場合に。」
フィオーナの言葉に全員がうなずいていた。
「そうだ、フロイレイン・フィオーナのいう通りだ。我々は人間であり、機械ではない。そして我々が相手取るのもまた、人間なのだ。その深層心理についてはデータをもって表すことなど到底できはしない。だが、同じ人間であるからこそ、その傾向については分かるつもりだ。迎合しやすい人物像というものもな。」
そういう人物につけ込もうとするのは少々あくどいやり方なのかもしれんが、とラインハルトは苦笑交じりに付け加えた。
「ですが、まだ内乱が勃発すると決まったわけではないのではないでしょうか?皇帝陛下がご存命の今、後継者争いなどは起こりえない問題ですし、リヒテンラーデ侯爵はじめ宮中の主要閣僚たちが目を光らせています。」
と、キルヒアイス。
「そうなれば、1年間の休養期間というわけね。戦争は起こらないから、昇進の道は閉ざされて、シュミレーターと訓練に明け暮れる退屈な日々が続きそう。」
ティアナがやるせないようなけだるげな調子で言った。
「ティアナ。」
フィオーナがたしなめた。
「冗談よ。そうなれば1年間は私たちは何もできず、無為な日々を過ごすことになるわ。内乱が起これば確かに大勢の人が害を被るし、死ぬ人も大勢出ることにはなる。でも、キルヒアイス。1年間帝国の寿命が延びれば、それだけ辺境で虐げられている・・・そう、農奴や奴隷、そして貧困で喘いでいる人たちが死んでいくのよ。結局のところ、どちらにしても犠牲者はでないはずがない、という事ね。私は個人的な意見としては、荒療治を試みてでも今の帝国の体制をひっくり返す必要はあると思うのよ。もちろん、その後に盤石な体制を、皆を守る体制を敷くことが必要だけれどね。」
ティアナはソーサーの上に置かれていた小さなスプーンを振り回しながら、
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