暁 〜小説投稿サイト〜
神剣の刀鍛冶
EPISODE04勇者V
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て魔剣を垂直に構えていた」からだ。

「はああああ!」

一瞬の風が垂直上昇し、凱の長身を包み込むように生み出される。
爆発的な速度で今まさに、大地の衝撃波は我意を飲み込もうとしていた!

「う……ウソだろ!」

この瞬間、ドリスは我が目を疑った。
大地の衝撃波が凱の身体を吹き飛ばす……はずだったが、影響を受けることなくやり過ごした!
なぜ、クレイモアが生み出した大地のカーテンを潜り抜けられたのか?
理屈は簡単だ。
大地の衝撃波と同じ方向ベクトルに合わせ、垂直上昇する風の螺旋を、全身に纏ってしまえば難なくやりすごせるはずだ。
ドリスのお蔭で、土煙のカーテンコールが出来上がった。視界を封じられた彼女達に比べ、凱は的確に敵の位置を把握している。このチャンスを逃す手はない。

「はああああ!」

「私に任せて、ドリス!」「マーゴット!?」

ドリスに肉薄する凱の前に、再びマーゴットが立ちはだかる!
おそらく、凱と同様、三人も彼の位置を視野に入れていただろうか。何の戸惑いもなく襲いかかる!
赤い光の刃が凱の頭上へ迫る!
鋭く延長された剣は、これ以上ない位に、血の色より紅い。
そして……またも凱は彼女等三人にとって、不可解に見える行動をとった!

「俺に二度も同じ技は……通用しない!」

凱はレイピアを地面に突き立て、剣先で猛然と蹴り上げた!
剣閃に匹敵する風の速度で、瞬間的にマーゴットと間合いを詰める!

風の力を先端に集約させ、剣速を高める!

糸状のような「閃光」は、的確に相手の戦闘手段を奪っていく!

目にもとまらぬ瞬速の16回斬り!

刹那の交錯を終えた瞬間、再び互いは距離を開ける。

「くっ!なんてヤツですの!?」

落としそうになるロンパイアを無理につかみ、マーゴットは憎々しげに凱の双眸を見つめていた。
先ほどの戦いを見て、はっきりと確信した。
あの青年は、相当戦い慣れている。まずはそれを認めなくてはならない。
魔剣を手にした瞬間、反則的に状況をひっくり返す行動力バイタリティ。
誰にも得られなかった技術と発想で、魔剣の可能性ポテンシャルを最大限に生かしている。

「くそ!このままじゃ魔剣が!」「待ってドリス!誰かが来たみたいよ!」

大勢が奔って駆け付ける足音が、夜の街中を木霊する。武装を施した自衛騎士団が、大きな騒ぎを聞きつけて、現場に急行したのだ。

「一端逃げましょう!このままじゃみんな捕まってしまいます!」

「冗談じゃねェ!やっと魔剣を見つけたんだぞ!」

「奪い取る機会は必ず来るわ!だから……今は我慢して!」

でもシャーロット様が、そう口に言いかけている間にも、確実に騎士団が押し寄せてくる。こ
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