第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#9
PHANTOM BLOOD NIGHTMARE
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ください! いいんです!
エリザベスさんから聞きました。
あの、DIOという人に操られていたのでしょう?
だったら、貴方は何も悪くありません!」
脳裡に甦る、罪の追憶。
本当にどうして、あんな事をしてしまったのか、
あんなに残酷な事が出来たのか。
肉の芽を埋め込まれていたとはいえ、
自分の中にそういう卑劣な面が、無かったとは言いきれない。
「でも、ボクが貴方の傍にいる限り、その記憶は消えないでしょう。
これ以上、貴方を傷つける事は出来ません」
「おまえ……」
「ちょっと!」
強い覚悟を決めた言葉から、意味を覚った二人が同時に声を発する
まさか自分達から離れて、たった独りでDIOを追おうというのか?
絶対に無茶だ、孤立した者を卑劣なるアノ男が無視するなんて在り得ない。
再び下僕に引き摺り込もうと、強力な異能者が大挙して彼を襲う筈だ。
その緊迫した雰囲気を包み込むように、吉田は温かな笑顔で言った。
「それじゃあ、お友達になってもらえますか?」
「え?」
本当に意外な申し出に、さしもの花京院も眼を瞠る。
「だって、お友達だったら、何の問題もないでしょう?
ケンカしたら、仲直り。
相手が謝ってきたら、許さなきゃダメです」
「……」
どうして、こんな表情が出来るのか?
痛みも恐怖も色濃く残っている筈なのに、
少しも相手を恨む事なく純粋な笑顔を向けられるのか?
『スタンド使い』 としての能力は自分の方が上だが、
とてもこの少女には敵わないと花京院は想った。
自分が辛い目にあっても誰かに心から優しく出来る彼女を、
本当に 「強い」 と想った。
「ありがとう……ございます……吉田……一美さん……」
静かに瞳を閉じながら、花京院は彼女の労りを受け止めた。
(やれやれ)
(もっとイヤな奴だったら、良かったのに)
万事上手くまとまった埠頭で、承太郎とシャナが同時に呟く。
その、とき。
「!!」
「!?」
突如頭上を、山吹色の炎が覆い尽くした。
継いで、不可思議な紋章と紋字が同色の煌めきと共にハラハラと舞い散り
足下に染み込んでいく。
たゆたう波間は音を止め、さざめく木々は色を無くし、
街路を歩く者達は人形の如く動かなくなった。
目の前に屹立する豪華客船すらも存在の意味を消失し、
ただの巨大な形骸と化した。
何もかもが初めての、スベテが異質な状況に吉田が困惑する中、
承太郎が当然のように声を荒げる。
「数は!」
「すぐ近く、封絶の中心部に、あからさまに大きいのが二つ!
少し離れて、南西と北東に気配が薄いのが一つずつ!
!? また一つ増えた! 一応五つだけど、鵜呑みにするのは危険」
傍にいる少女が当然のように答え、
その髪と瞳が火の
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