第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#9
PHANTOM BLOOD NIGHTMARE
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ってる。
なら、この女もソレと同じだ」
衒いなくそう言い、フルパワーで発現しているスタンドを元に戻す。
凄まじい熱気と共に足下を蹴り付けようとしたシャナの鼻先に、
承太郎が割って入った。
「――ッ!」
超至近距離で眼に入る美貌に、シャナは困惑しながらも口をパクパクさせる。
「ほれ、お待ちかねの新しい仲間だ。
女同士なんだから仲良くしろよ。
くれぐれも紅茶ン中に変なモンとか入れねーよーにな」
ここで引いては拗れるだけなので、
承太郎は有無を言わさぬ口調で決定事項だけを告げる。
「で、でもッ! ン!?」
当然反論しようとするシャナの口唇の前に、
承太郎は立てた指を触れるか触れないかの位置に置いた。
「話は聞いてただろ? オレ達とあいつの 「目的」 は一緒なんだ。
DIOのヤローを斃さなきゃあ、大事なモンみんな失っちまう。
だったらそれを止める権利は誰にもねぇ。
それが解らねぇおまえじゃあねーよな?
どんな時でもテメーの事しか考えねぇヤツもいるが、
おまえはそうじゃあねーよな?」
「う、うぅ〜」
瞳を細めて言い含めるように告げられた承太郎の言葉に、
シャナは押し黙るしかなくなる。
今までの話を総合して、ここで一人反発していれば完全に自分が悪役になる。
以前の自分だったら、そんな事など気にも止めず我を通していただろうが
今はもうそれが出来ない。
『そこまで解っていて』 承太郎は自分を宥めようとしている。
ソレが、嬉しくて恥ずかしくてやるせなくて。
だから。
「イジワルッ!」
瞳に涙を浮かべてそう叫んだ。
「フッ、まぁな」
承太郎は不敵な笑みを浮かべて頭に手を乗せた。
「……」
その二人の掛け合いを、吉田は複雑な表情で見つめる。
ようやく全てを理解して、一緒にいられるようにはなったが、
ずっと離れていた一ヶ月以上のハンデは、正直大きい。
その間二人に何があったのか知る術はないし、知りたくないとも想っている。
でも絶対に負けたくないという気持ちは、ふつふつと沸き上がっていた。
自らの意志で未来を切り開くという前向きな気持ちが、
かつての消極的な性格を消し去っていた。
その少女の傍らに歩み寄る、翡翠の美男子。
「ボクの事を、覚えていますか?」
「あ、はい。花京院 典明さん、ですよね」
反射的に頭を下げようとする彼女を押し止め、
彼は憂いに充ち充ちた表情で言った。
「……貴方には、本当に酷い事をしてしまいましたね。
とても赦される事ではありませんが、心から謝罪します」
とても同い年とは想えない怜悧な雰囲気を発しながら、
花京院は深々と頭を下げる。
その姿を見た吉田は、まるで自分が悪いかのように顔をあげさせた。
「や、やめて
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