EPISODE01プロローグ
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長は紫の諜報部員に問いただす。
「凱機動隊長。その前にまずはこれをご覧ください。猿遠寺オペレーター、お願いします」
ガッツィ・ギャレオリア・ガードのオペレーターチーフ、猿遠寺耕助は即座にライブラリから結論を見出す。次の記録再生に移った瞬間、またも全員が絶句した。特に命は口元を抑え、発作を抑えるような仕草を見せた。
「な……なによ……これ!」
「これが……人間のすることか!?」
「……くそったれが!」
命が、凱が、参謀である火麻激が、感情をあらわにする。その中で凱は戦慄と慟哭と怒りを瞳に滲ませていた。
スプラッタなんてものじゃない。それは、誰もが憤怒とすることだろう。
――人間の心臓を覗き込み、鏡で無理矢理覗かせ、強要していることをみれば――
「何かを唱えている?ボルフォッグ、もっとレベルを上げてみてくれ」
「了解しました」
凱は「対象者」の僅かな唇の動きを見逃さなかった。出している声こそ聞こえたが、言葉までは理解できなかった。まるで、発している本人にしか理解できないような、不気味な数珠のような発音だった。
瞬間、「原種大戦」を彷彿とさせる魔の怪奇現象が発生したのだ。
「ゾンダー化!?……いや!違う!」
ゾンダー誕生かと思った凱は、有り得ないと判断した。管制人格であるZマスターが滅びた以上、Zの文明は活動できないはずだ。かといって機界新種ゾヌーダかもしれないと考えたか
それも否定する。はっきりとした有機の生態動悸が、それを裏付けたからだ。それに反して、なぜか生気が感じられない。むしろ本能的な悪寒さえ感じる。
「……悪魔……デビル!!」
ガッツィ・ギャレオリア・ガードのR&Dオペレーター務めのスワン=ホワイトがそう表現する。なるほど、悪魔と呼ぶにはしっくりくる。
渦蜘蛛に酷似した氷漬けの悪魔。憑依合体する可視型自縛霊の悪魔。
異次元から連れ去った人間達をこのように変貌させているのか?忌々しいが奴らの基準から考えれば、高コストの獣人や改造人間、、メタルサイボーグ等に比べれば、はるかに安価で確実な生物兵器を製造できるだろう。
新生バイオネットの180度人道から背いたやり方に、凱は頑なに握りこぶしを作った。あまりの強さに指が食い込み、手のひらから血が垂れる。凱の怒りを表現するかのように――
WARNING!!WARNING!!
突然、全機のモニタリングディスプレイがブラックアウトする!
「システムダウン!?」
異常事態はオービットベース端末ブロックエリアにとどまらず、GGGスタッフが在席しているメインブリッジにも及ぶ。
GGGメンバーの中で最初に気付いたボルフォッグは、ブラックアウトしていく原因を別にあると推測する。そ
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