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神剣の刀鍛冶
EPISODE01プロローグ
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ート人かブリューヌ人なのか?あの領域を抜けてきた人間がいるというのか?」

「おいおい、冗談はよしてくれよ。そもそもジスタートとかブリューヌなんていう国の存在あるかどうか……」

二人の男がいろいろと喋っている。そして、二人の会話からかすかな違和感を受け取っていた。

(……翻訳?)

凱の頭の中には、「翻訳機」や「受信機」のような感覚器官が存在しているらしい。かつて、新生した凱のアジャスターを務めていたパピヨン=ノワールによれば、凱はエヴォリュダーになった際、あらゆる言語を理解して意思疎通できる感覚帰還を後天的に手に入れていたという。それにより、凱の感覚器官を参考にして言語認識に関する研究が発展、ついには世界各国の言語共通の実現が可能になり、GGGの新生にも大きく貢献できたのだ。(既に日本語習得しているヤン=ロンリー博士やスワン等を除けばの話だが)
凱の言う違和感というのは、翻訳する際に生じる「差異(ラグ)」なのだ。それもただの差異じゃない。

――異世界概念言語――

日本語からほかの外国語へ――同一次元世界の翻訳なら、それほど頭に負荷はかからない。しかし、異世界の言語を理解するのは骨が折れる。
パソコンのCPU使用率が高ければ、必死に処理しようとするのと同じように、凱は頭部の僅かな発熱を抑えながら、二人の言葉を理解しようとしていた。

「そうか……俺はバイオネットとの戦いの後、次元ゲートにまきこまれて……」

ヘルアンドヘヴン・ロード・オブ・アンリミテッドの余波で異世界へ転移しちまったのか、そう漏らしたとき――

「何を言ってる?……まぁ、とりあえず一緒に来い。特別なんも無ければすぐに帰してやれるから」

こうして、負傷中の凱は二人組の男に連行されていった。
傷も癒すこともできない今の彼にとっては、ただ黙って従うのが最善の選択だと判断したのだ。
連行される道中にて、二人の男は凱をじろじろと見まわしていた。多分凱を珍しがっているのだろう。腰あたりまで伸びた長髪にその風貌と、彼がもつ独特の空気を感じれば――
そんなこんなで公務役所?の一室に辿りついた。
取り調べをされて、そして聞いて、いくつか分かったことがある。これは、今の凱にとっては大きな収穫となるものだった。
今、自分がいるのは「独立交易都市ハウスマン」と呼ばれる交易業で栄える大都市にいる事。
先ほどの二人組の男は、独立交易都市の治安組織「自衛騎士団」に所属している事。ちなみに彼らは7つある街の内の「第3番街自衛騎士団」に所属している。
この世界では、機械設備や情報化社会のような高度文明まで発達していない。その変わり「祈祷契約」なるもので住民の生活の発達を促している事。
職務執務の結果、凱は問題なしと判断されて取り調べから解放された。「ご苦労
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