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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第二十話 それぞれの『優しさ』
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 持ってる者を心配する人はいない。

 持ってる者を、それ以上理解する必要はない。

 それを望むのだとしたらそれこそ、その者が持つお金が名誉が目的になってしまうからだ。

 俺に関わってくれたみんな、その優しさには目的がなくて、目的がないからこそ俺を見つけてくれた。

「高町もすずかも優しすぎる。 だからこうしてバニングスが貧乏くじを引く立場になってしまうって俺は思う」

「アタシは貧乏くじを引いた覚えはないわよ?」

「ははっ、そうだよな。 バニングスも、同じだもんな」

 類は友を呼ぶ、なんて言葉がきっと似合うのだろう。

 ならば俺は?

 あの輪の中にいる俺は、どうなんだろうか?

「何笑ってんのよ?」

「いや、ホントに三人とも、仲が良くて羨ましいって思ってさ」

「ふん、当然よ!」

「だよな」

 答えはまだでない。

 俺はまだ、俺を認めてあげられない。

 俺自身を許すことができない。

 だけど……少なくとも、

「やっぱりアンタって変」

「ひどっ!? そ、そんな言い方ないだろう?」

「他に言葉がないのよ! アンタの考えてることも、言ってることも全部、変!」

「全部!?」

「何もかも!」

「規模が広がってるんですけど!?」

「とにかく!! アタシはぜ〜ったい、アンタのことを認めないからっ!!」

「指を指すな!」

 少なくとも、こうしてこの世界で誰かと過ごしている俺自身は、嫌いじゃない。

 いつかこんな自分を認める日が来るのだろうか。

 どうなんだろ、姉さん――――。
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