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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第二十話 それぞれの『優しさ』
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見えた。

 いつの間にか、アタシ達三人の居場所はいつの間にか過去のものに変化を始めていた……なんて、嫌な夢を見てるみたいで嫌な気分だ。

「えっと、話しって何?」

 放課後、アタシはすずかやなのは達には内緒でアイツを学校の屋上に呼んだ。

 呼ばれたアイツは文句一つ言わずに頷いて、アタシに付いてきてここに来た。

「回りくどいの嫌だから、ハッキリと聞かせてもらうわよ?」

「……ああ、構わないよ」

 アイツは、アタシが真剣な話しがしたいのだと察したみたいで、表情から油断や柔らかさが抜けた。

 残ったのはアタシの言葉を聞き逃さないように、そして言葉に対してちゃんと意思を持って答えようとする真剣さ。

 アタシやすずかは人より裕福で、恵まれているから、どうしても同年代の人でも距離を置いた眼で見てくる。

 年上であっても変わらず、むしろ年上であればあるほど礼儀や立場を意識して距離を置いて、アタシのことを下から見て、対等に立とうとはしない。

 だけど、少なくともコイツはアタシに対して物怖じした態度はとってない。

「アンタ、なんの目的でなのはやすずかといるの?」

 そうやってアタシ相手に、対等に向かい合おうとする人を見るのは、久しぶりな気がした。


*****


 アリサ・バニングス。

 この海鳴市で有名な実業家の両親のもとに生まれた、いわゆる『恵まれた子』。

 学年トップの成績を収めており、強気でリーダー気質がある彼女はクラスでも信頼が厚い。

 中でも高町と月村……じゃなくて、すずかとの関係は彼女にとって特に大事なものなのだろうってことは、見ていればよくわかる。

 そんな彼女から見た俺って言う存在は、どうやら異物かなにかみたいだ。

 まぁ、転入生がいきなり高町やすずか、更には雪鳴や柚那と仲良くなっていけば警戒心を持った人が一人くらい現れるのは当然だろう。

 いつもの日常が俺みたいなボっと出の男一人によって大きく変化させられた、なんて考えればお嬢様って身分もあるだろうから余計警戒してしまう。

 お金目的なんじゃないかとか、高い身分だから仲良くしたいんじゃないかって、そんな理由があるんじゃないかって疑うのは当然だ。

「アンタ、なんの目的でなのはやすずかといるの?」

 単刀直入、なんて言葉が似合うような問いは俺に真っ直ぐに向けられた問いだった。

 放課後になって俺はバニングスに呼び出さ、雪鳴達を先に帰らせた後にこうして屋上にいる。

 この時間帯は屋上を使う人もなく、俺たちしかいないこの場所で、俺は真剣な眼差しで睨みつけてくるバニングスと対峙していた。

「目的なんてないよ」

 答えは迷うことなくすぐに言葉として出し
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