二十二話:ライフゲーム
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もいかないだろう」
「あら、別に遠慮しなくてもいいのよ。食事はみんなで楽しくね」
ロシアンルーレットという意味でなら、楽しくなるかもしれないと、ぐだ男は考えるが口には出さない。
「ですが、これだけの人数が増えると大変ではありませんか? お義母様」
「そう言われると……一人だと大変かもしれないわね」
「でしたら、義娘がお手伝いします」
所々で、不穏な言葉が混ざっている清姫であるが、起死回生の一手を繰り出してみせる。
そう、手伝いながらであれば、最悪の結果は免れるかもしれないのだ。
もっとも、本人からすれば、ただ単にアピールの場だと思っているだけだが。
「いいのかしら?」
「ええ、何もしないというのも心苦しいので」
「それなら、手伝ってもらおうかしら。ふふふ、楽しみね」
にこやかに会話を交わす二人の姿にぐだ男は胸を撫で下ろす。
何とか死傷者が出ずに済みそうだと。
『マモレナカッタ……』
目の前で、ブクブクと不気味な泡を立てる料理を見て、ぐだ男は肩を落とす。
メインに置かれているこれ以外の料理はまともだ。
他のものは、清姫とエミヤが作り上げたので、美味しそうに見えるためにギャップが激しい。
『清姫、エミヤ……これは一体?』
「……ええ、嘘はありませんでした。正直だけで作られた料理です、これは」
「私も何とか止めようとしたのだが……自分一人で作るといって聞かなくてな」
どうしたものかと三人で頭を抱える。
口に含んだ瞬間に、舌が物理的に溶けてしまいそうな、シチューのような何か。
小5のイリヤやクロは勿論、女性陣に食べさせていいものではない。
『……男だけで完食しよう』
「ああ、それ以外になかろうよ。女性を危険にさらすわけにはいかん」
「このようなことになるのなら、悪竜の血で背中と言わず、胃も強化しておくべきだったな……」
『そう言えば、ジャンヌ・オルタってファブニールを飼ってたよね……』
「ちょっ! ポチをどうするつもりよ! やめなさいよ、目が冗談に見えないんだけど!?」
今からでも、竜の血を飲めば、この局面を切り抜けられるかもしれないと考える、ぐだ男。
しかし、当然のことながらジャンヌ・オルタに猛反対され、すんでのところで踏み止まる。
「……思いついたよ。この料理を穏便かつ、最小の犠牲で処理する方法をね」
「おとーさん? なんだか目が怖いんだけど……」
そんな絶体絶命の状況の中、一家の大黒柱は重い口を開く。
イリヤが、普段と様子の違う切嗣の様子に驚いているが、彼は気にすることなく言葉を続けた。
「―――スケープゴートだ。男性陣の中から一人を囮にする」
『げ、外道
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