Track 2 受け取るキモチ 繋げるミライ
活動日誌6 ゆうじょう・のーちぇんじ! 1
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》える、わ、け、ない、じゃん?
いやいやいや、ないから!
――本当に、ないからね?
そんなこともあるから、後ろ髪を引かれる思いで亜里沙に声をかけたんだよ。
声をかけた瞬間、私の視界を遮っていたアイマスクは役目を終えると眼前から離れる。
私は明るさを取り戻して――まぁ、目の前には黒板が広がっているから黒には変わりはないんだけど?
いつもの風景が広がる――はずなのに何故か時が止まっている錯覚に陥る。いや、亜里沙が無言のまま後ろに立っていただけなんだけどね?
私は気になって振り向きざまに「どうしたのよ?」と、亜里沙に問いただそうとしたんだけど――亜里沙がアノ表情を浮かべながら私に理由を聞いてきたのだった。
だーかーらっ! その表情はやめてってばっ!!
一瞬、気を抜いていたからゴメンナサイって言いそうになったじゃん!
まぁ、踏みとどまれたのは単純に聞かれた理由が疑問に思ったからなんだけどさ?
だって、誰だ? って聞いてきたんだよ? 亜里沙が!
だから普通に亜里沙だってわかったから答えただけ。何? 私がわからないって思ったの?
そりゃあ? 誰かが目隠しをして、亜里沙が聞いたのだったらわからないけど――さすがに手の平の感触までは覚えていないもん。
でも普通に亜里沙だけで実行したのなら、声がわからないことはないんだけどね?
他のクラスメートならともかく、亜里沙の声を間違える訳ないんだから。
どれくらいの付き合いだと思ってんの? 別に時間の長さの問題じゃなくて――
一緒に過ごした時間の濃さはお姉ちゃんと同じくらいに濃いんだからね。だから亜里沙の声なら絶対にわかると思うよ。
色々な亜里沙の声を聞いてきた私。
嬉しい声、悲しい声、驚いた声、怒った声、そして――決意の声。
そんな色々な声を隣で聞き続けてきた私なんだから――
「……わからない訳ないじゃん!」
「そうなんだ……お疲れ様、雪穂」
とりあえず正直に答えるのは恥ずかしいから、最後の部分だけを少し戯けて言い放つ。
そんな私の答えを聞いて何を納得したのか知らないけれど、満面の笑みを浮かべて挨拶してきたのだった。
次の休み時間に、今度は私が目隠しをした理由を聞いてみた。
そうしたら、いつものハラショーな行動だったらしい。
何かのマンガで描いてあったんだって! それを読んで、仲の良い友達や恋人の必須条件みたいに刷り込まれていたらしい。
ちなみにもう1つ、同じマンガで仕入れたのが『トントン……ツン』だったらしい。
あっ、後ろから肩を叩いて、振り向きざまに人差し指で頬を突くってヤツね? まぁ、不意打ち
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