第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#8
FATE TO PHASE
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「それにしても、まさか助っ人が母さんだったとはな。
『スタンド使い』 と聞いていたので予想だにしなかったわい」
「でもでも、コレ以上ない位の援軍だわ。
これでもうどんな敵が襲ってきても、負けるはずがない!」
「うむ。堅如磐石 とは正にこの事。
大奥方であるならば、奉迎に異論の余地はない」
気の早い三人 (?) がそれぞれの思惑で交わす言葉を、
エリザベスが少し困ったように否定する。
「ごめんなさいね。
残念ながらアナタ達の仲間に加わるのは私じゃないのよ。
一緒に行きたいのは山々だけど、
DIOの刺客がいつ襲ってくるか解らない今、
波紋の組織を離れるわけにはいかないわ。
私は “彼女” の後見人と、警護の役割で同行したの。
ヴェネチアに戻る途中にね」
なんだという白いだ雰囲気の中 (シャナの胸元では些か以上の落胆が)
エリザベスは背後の客船に向けて言った。
「もういいわ。そろそろ出ていらっしゃい」
特殊な呼吸法で紡がれる 『波紋使い』 の声は、
声量を上げなくとも空気に乗って対象へ届く。
「はい」
無論こちらは埠頭に届かないまま、客室へのドアが開き中から姿を見せた、
余りにも意外過ぎる人物。
海風に揺れる亜麻色の髪。
陽光に映える胡桃色の瞳。
小柄な背丈とややアンバランスに発育した躰。
何より、シャナと同じ白い夏物のセーラー服。
絶対に絶対にそこにいる筈のない者が、
静かにしかし確固とした歩調でタラップを降りてきた。
(な……何……? 誰……? こいつ……?)
(ジョセフを除く)三人が、一様に驚きの表情を見せていたが
一番の衝撃を受けたのは、シャナ。
今の今まで、すっかり忘れていた。
正確には、 『忘れた振り』 をしていた。
忘れようにも忘れられない、絶対に想い出したくない記憶だったから。
自分に取って、一番ヤっちゃいけない事をしたヤツだから。
でも、もう会う事はないのだから、
当人が幾ら願っても無駄なのだから、
そんな歪んだ優越感で強引に割り切っていた存在だった。
その筈だったのに……!
“アノ時” と同じように、意識が現実を拒んでいる。
鼓動が、張り裂ける程に早鐘を打つ。
ソレに合わせるように、タラップを降りる少女の歩みが徐々に速まり、
そのまま周囲の存在を無視して彼女は想い焦がれていた者の胸へ飛び込んだ。
「空条……クン……ッ!」
弾けて舞い散る、万感の想い。
星形の痣に絡む腕、胸に伝わる鼓動、そして温かな体温。
全ての要素が彼女を幻ではない、
現実の存在だという事を否応なく認識させる。
「おま……えは……」
唐突な行為よりも、彼女が “今ここに居る” という事実に、
承太郎は戸
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