第8話『戦姫集う王都〜風姫の新たなる挑戦』
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は、必ずジスタートへ影響を与えている。誰しも、そんな好戦国とは国境を接したくないと思っている。
「エレオノーラに一任せよ。そう言いたいのか」
「今、ブリューヌは覇を定める状況で、無意味に外敵を増やす真似はしたくないでしょう。必ずやこちらの真意を確かめに来るはず。もし、それすらもせずに攻めてくるのであれば、私が彼らを歓迎いたしましょう」
戦姫という立場の人物から出た発言なだけに、官僚たちもその重さを吟味せざるを得ない。だが、柔らかな姿勢の彼女を後押しするように発言を求めたのは、オステローデ公国の戦姫ヴァレンティナだった。
「陛下。恐れながら進言申し上げます」
「ヴァレンティナ=グリンカ=エステスか。申してみよ」
「陛下のお許しを得て、申し上げます」
ソフィーヤの顔に、無色の衝撃が広がる。この期に及んで一体何を進言する気だ?
原則として王から命令を下された場合、王都へ出廷しなければならない。ただ、重い病気等による公主の事情、公国に著しい損害を生じる場合、それら一定のやむを得ない理由がある場合は出廷を辞退できる。
以上の理由がある為に、レグニーツァ公国公主のアレクサンドラ=アルシャーヴィンはこの場にいない。
もっとも、ブレスト公国公主のオルガ=タムは行方不明なのだが――
なのに、普段病弱な為に公国からあまり出ないことで知られているヴァレンティナがいる。もし、ここが謁見の間でなければ、驚きを隠せずにしたい。我慢したくない。
ともかく、そんな金色の髪の彼女の心情を承知なのか、ヴァレンティナは司法席越しからソフィーヤを冷笑するように睨めつけた。この美女達の相対する光景こそ、竜具によって選ばれた戦姫の歴史の具現化、いわば光と影であった。
「ブリューヌへの介入に私も異存ありません。むしろ、火中の栗はライトメリッツに拾わせるべきかと――」
流石にこの申し出には、ソフィーヤも形の良い眉を寄せた。
彼女の意見は、要約するとこうだ。――あまりブリューヌに肩入れすると、万が一に他の公国まで巻き込まれる恐れがある――
エレオノーラの申し出とソフィーヤの進言を聞く限り、確かな大義名分があるように思える。邪魔はしないから、そっちはそっちでやってくれという意見を、いけしゃあしゃあと言ってのけた。
それに、ヴァレンティナには思惑があった。
最悪、ブリューヌの内乱で状況がこじれても、ヴァレンティナ自らが進み出て、状況を押さえつけてしまえばよい。
例えば、エレオノーラが内乱で何かしくじったとしても、現状では外界の脅威のないオステローデを派遣して利用させるという手も取れる。
王に直接進言するのではない。幾重にも重鎮を挟ませて、十分に恩を着せることもできる。
他の戦姫介入の可能性もあるが、ルヴーシュとレグニーツァはア
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