旅立ちは彼を目指して
[7/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
!!」
覆面の男は、お前も。といっていた。そして珍しいポケモンが3匹いて、それを一人が奪っていってしまったということはもう一人自分と同じくポケモンを貰いそこねた人物がいるということ。
いてもたってもいられない。走ることは出来なくても、早歩きで歩を進め始めた。
「きっと、もう一人あいつの仲間に襲われてる奴がいる……助けないと!!」
幸い、そう離れていないところに自分と同じ立場の子供……白いタンクトップと膝が見えるくらいのスカートの軽装に黒髪を結った、真っ赤な日傘をさしている少女はいた。
(相手がわかりやすい覆面で助かったぜ……)
少女の前にはバトルをしているさっきの覆面男とカラーリングが違うだけの黄色い覆面をした男がいた。今、その少女はヨマワルを、黄色い覆面男はラクライを繰り出している。ラクライがいくつもの電撃を放ち、それをヨマワルが必死に耐えている。少女の側が防戦一方……にサファイアには見えた。
「カゲボウズ……いけるか?」
カゲボウズは頷く。あの子も自分と同じく無茶苦茶を言われてバトルする羽目になっているのは予想できた。戦況も不利な以上、放っておけるはずがない。
「そこの子、加勢するぜ!話は後だ!!カゲボウズ、影打ち!」
一気に飛び出して、先制技の影打ちを放つ。その影が届く瞬間……ラクライの方が、ぱたりと倒れた。そのまま影打ちにふっとばされてさっきと同じ光景になる。
「え……?」
「ラッツVならずこのラッツUまでも……逃げるべきだ〜!!」
「そうすべきだ〜!」
さっきとは違う意味で混乱するサファイア。男たちはまたよくわからない捨て台詞を吐いて逃げ出してしまった。サファイアはぽかんとしている。
そんな様子を見ていた日傘の少女はモンスターボールにヨマワルをしまうと……何やらおかしなものを見るような眼でサファイアを見て、こう口にした。
「ひとまず加勢ありがとうと言っておこうかな。だけど、今のは間抜けだったね。もう勝負は決まるところだったんだから」
「決まるって……だって、防戦一方だったじゃないか?」
サファイアがそう言うと少女はますます馬鹿にしたような眼をする。
「あのね、君もゴーストタイプのポケモンを使っているんだろう?だったら最初に鬼火を相手に打って、後は相手が倒れるのを待つくらいの基本戦術は頭に入れておいた方がいいんじゃないのかな」
「なっ……そんな言い方はないだろ!シリアはそんな戦い方はしないし……」
チャンピオンのシリアは、補助技や変化技も大いに使うが最終的には強力な攻撃技を決めて終わらせる。だからサファイアの戦い方も自然とそうなっていて、ただ待つだけの戦術は頭から抜け落ちていた。
シリア、
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ