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幽雅に舞え!
旅立ちは彼を目指して
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叫ぶ。

「そこのミシロタウンから出てきた少年ー!少し止まるべきだ!」
「え……どうした、何かあったのか?」

何か向こうで危ないものでもあったのだろうかとサファイアは思ったが、覆面男はこう言いだした。

「ミシロタウンから出てきたということは君が博士から珍しいポケモンを貰った少年であろう?そうであるべきだ!」
「……いや、貰ってないよ。貰うはずだったんだけど誰かに奪われたんだ。そのポケモンについて何か知ってるのか?」
「むむむ……お前も、持ってないというのか。だがしかし、ここではいそうですかと帰ってはティヴィル様に怒られてしまう!アミティヴィル様第3の子分としてそれは避けるべきだ!

少年!私とポケモンバトルするべきだ!私が勝ったら珍しいポケモンを渡すべきそうすべき!」
「ポケモンバトルならいいぜ……って、持ってないって言ってるだろ!」

身構え、カゲボウズにいつでも技を出せるように目で合図する。この覆面男、どうやら人のポケモンを奪うつもりらしい。それも特段の悪意なしにだ。

「少年、嘘をつくのはやめるべきだ。今日博士から何やら珍しいポケモンを3人の少年少女が貰うのは聞いている、ミシロタウンから出てきた以上、君がその一人に間違いない。誰かに奪われたなどと見苦しい言い訳はやめるべき!」
「だから、嘘じゃないんだって!大体その珍しいポケモンってお前はどんなのかわかってるのかよ?具体的に知らなさそうな口ぶりだけど、それで俺が持ってるってわかるのか?」

そうサファイアが尋ねると、覆面の男は覆面越しに表情がわかりそうなほど露骨に固まって困惑した。そういえばどんなやつだっけ?と思っているのが手に取るようにわかる。

暫く固まった後、もう破れかぶれと言わんばかりにサファイアを指さす。

「もう何でもいいからポケモンよこすべきー!でないとティヴィル様に叱られるのだ!いけっ、ユキワラシ!粉雪を放つべきだ!」
「くそっ……無茶苦茶だ!カゲボウズを誰かに渡すわけになんていかない!カゲボウズ、影分身!」

覆面の男がユキワラシを繰り出し、細かい氷の粒を広範囲にばら撒く。影分身によってカゲボウズの分身が増えていく中、氷がカゲボウズとサファイアの体を刺すように冷やすが所詮は冷気。

(この程度ならダメージにはならない、ここから一気に畳みかけてやる!)
「カゲボウズ、一気に行くぞ!必殺・影法師だ!」

サファイアが命じると、カゲボウズが応じるように角に負の感情の力を込める。

そして、影分身によって作り出した無数のカゲボウズの姿が。ブクブクと膨らんで、数秒後には巨大な影となってユキワラシを取り囲んだ。ユキワラシの目には、巨大な影法師が上からいくつも自分を睨んでいるような異様な光景が写り
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