無印編
ジュエルシードを求めて
決意の時
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「―――と、そうこうしている間に時間だぞ」
「えぇ〜……はぁ」
何でも今日はなのはのご両親が経営する喫茶店『翠屋』がスポンサーであるサッカークラブの試合があるらしい。コーチ兼オーナーは何と士郎さんが務めているとか。剣術家で経営者でサッカーのコーチ兼オーナーって……どれだけ万能なんだろうか……
「頑張れ〜!」とか「いけー!」などと元気良く応援する少女3人。
1人はなのはで、後の2人はなのはの友達。この間プールの際に紹介されたので既に顔見知りだ。
3人の中で一際元気良く声を張り上げ、選手を鼓舞するのは金髪の少女『アリサ・バニングス』嬢。一番声が小さいながらも一生懸命応援する濃い紫色の髪の少女『月村すずか』嬢。
俺はこの2人に、最初はなのはにも『〜嬢』という敬称を付けていた。声に出さないとは言え、呼び捨てにするのもアレなので、という理由だがこの2人、ガチのお嬢様だ。アリサ嬢には執事の『鮫島さん』、すずか嬢――というか月村家にはメイドの『ノエルさん』と『ファンリンさん』が居る。特にメイドさんなる種族を見たのは実に古代ベルカ以来だ……。
などと考えている内に試合は翠屋チームの勝利で終わったようだ。
「…………?」
『どうしたの?キーラ君』
『ん……いや、周囲の魔力素が一瞬濃くなったような気がしたが……まだ調子が戻らないみたいだな』
『大丈夫?この後翠屋行くけど、家帰ろうか?』
『ありがとう。気分が悪いわけでは無いよ』
『……無茶しないでね?』
それはこっちのセリフだと思ったが、自分の身を案じてくれる存在が居ることが素直に嬉しい。感謝の意を込めて『ああ』と返答すると、なのはは俺を抱っこして移動を始めた。
「なのはちゃん、重くないの?」
「うん。軽いよ、キーラ君は。すずかちゃんも抱っこしてみる?」
「いいの?」
「キーラ君、いいかな?」
「……クゥン」
まさか嫌だとは言えない状況ゆえ、了承する。嬉々とした様子で俺を受け取ったすずか嬢は俺の頭や顎下などを撫でたりくすぐったりしている。
気持ち良いは気持ち良いのだが、年端も行かぬ少女に良いようにされるのは少し複雑な気分だ。ちなみに、なのはの肩に乗っていたユー坊はと言うと……
「ユーノ〜♪それそれ〜♪」
「キュ、キュー……!?」
アリサ嬢にうりうりされていた。悲鳴を上げながら助けを求める念話を俺となのはに送ってくるが、なのはは『にゃはは』と傍観。俺は『まあ、頑張れ』と見放す。しかし、
「ふぅ、堪能した〜。なのは!次、キーラも良い?」
「え?……うん」
「じゃあ、ユーノ君は私の所ね。はい、アリサちゃん」
「ありがと、すずか!」
……ん?ちょっと待て。
「キーラふわふわ〜!……えい!」
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