無印編
ジュエルシードを求めて
決意の時
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る。それは肩から腰まで貫くと地面と暴走体を縫い付けた。
落下速度を緩めながら地面に着地すると、縫い付けた暴走体をじっと見る。置かれた状況を理解してないのか、呻き声もあげず動こうとしているが、槍に含ませておいた魔力拡散の呪毒が効き始めている為、段々と動きが鈍くなって来ている。
「思えば、お前は掃除を代わりにしようと出て来ただけなんだな。哀れに思わなくもないが、放っておくわけにもいかない」
十分に弱らせたところで暴走体を解放し、動けるようにしてやる。ちょうどその頃にはなのはも追い付き、封印の準備を整えていた。
その後、暴走体は問題なく封印され、校舎への被害は殆どなくことを終えることが出来た。
この世界に来てから今日で丁度1週間だ。
新たに見つけたジュエルシードは2つ。遊びに行ったプールで1つと昨日の夜学校で1つ封印し、それぞれちょっとしたハプニングがあったものの特に危険は無く済ますことが出来た。
ただ、昨日の帰り道になのはが魔力消耗でぶっ倒れ、少し体を大きくした俺が背負って運んだという事があった。
「大丈夫か、なのは?」
「うぅぅ……もうちょっと寝かて……」
「今日は出掛けるんじゃなかったの?」
「……まあユー坊、ギリギリまで寝かせてやれって」
そう言うと足元に魔方陣を展開。魔力回復を促進する魔法を発動する。
「……ありがとう、キーラ君」
「なのはやユー坊と違って俺は基本見てるだけだからな。魔力だけなら有り余ってる」
攻撃・封印担当のなのは、防御・補助担当のユーノという役割分担になっている2人に俺が加わる必要性は余り無い。強いて言うなら魔力回復中のユーノが無茶しないよう昨日のように、適度に介入するだけだ。
(……にしてもまだ調子が出ないな)
大気を漂う魔力素。基本的に魔導師はこれをリンカーコアという器官で呼吸す
るようにし、体内の魔力を補給する。
だが、地球の魔力素の濃度はやや薄く、俺が今発動している魔法はリンカーコアを活性化させることで魔力素の吸収を促進するというものだが、術師側の効率があまり良くない。
一方のなのはは、言うまでもなくこの地球原産の魔導師であり、即ち彼女のリンカーコアは地球の魔力素濃度に適合しているため、通常通り回復する。
が、やはり外部より来た俺やユーノは地球の魔力素を効率良く吸収出来るようになるまではしばらく時間がかかる。ユーノの魔力回復が遅いのもそのためで、同じように俺も高レベルの魔法は使うと、しばらくは魔法を使えなくなってしまう可能性がある。
補助だけの役割とはいえ、魔法を全く使わない訳ではなく現状では減っていくスピードの方が早い。有り余ってると言った側から手のひらを返すようだが、少しは節約しなければ。
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