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魔法少女リリカルなのは 永久-とわ-の約束
無印編
ジュエルシードを求めて
決意の時
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 海鳴市に来て数日、俺たちは4つ目のジュエルシードの回収にある場所へ来ていた。なのはの通う私立聖祥大学付属小学校というところだ。
 俺の知っている学校というものは、国が設置している国立の軍学校あるいは研究機関であって、なのはが説明してくれたように、教養全般を広く教えてくれるようなことは無かった。必要最低限の教養と後は軍学校なら軍事を研究機関なら専門分野を教示する。その方が効率が良いからだ。
 しかもこれは私立という、個人が建てた学校らしい。どんな金持ちの貴族でも私財投じて庶民に教育を施すなんて発想をしたやつはいない。この学校を作った者は余程の善人か、あるいは大富豪なのかもしれない。

「キーラ君?」
「ん?」
「なんかさっきから静かだから、どうしたのかなって」
「ああ、いや……時代は変わるものだなと思ってな」
「どういうこと?」

 なのはに、さっき聞いた話から思っていたことを伝える。特におかしな話をしたつもりはなかったのだが、なのはは「にゃはは……」と独特な苦笑いを溢した。

「キーラ君が言ってることは多分大学とか、専門学校っていう場所でやるようなことじゃないかな。私が今通ってるここは、自分の将来やりたいことを探す場所って言えば良いのかな……」

 なるほど。つまりはここはやりたいことを叶えるための準備をする場所、と言ったところか。

「将来やりたいこと、か」

 昔はその瞬間を大事に生きていた。ずっと楽しいことが続き、未来に不安なんて感じたことがなかった。それが終わると、過去のことを想いながら1つの約束を胸に生きて来た。そして今も。

(考えてみれば、未来のことを考えて生きた時って無いな)

 俺には寿命というものが無い、らしい。生まれた時ーーーのことは少し記憶が曖昧だがーーーから体の大きさは変わっていない。そもそも生まれた時に人だったのか、獣だったのか分からない。
 俺を拾ってくれたお方、リリア様が言うには、俺が生まれた星は双子の星で、一方に身体能力は優れているが魔力を持たない獣や獣人、一方に魔力を持つが身体能力は普通の人間が住んでいたらしい。その2つの星は何百年と戦争をしていて、やがて人間側が戦争に終止符を打つ為に獣人と人をを呪術的に掛け合わせた兵器を開発した。それが俺だという。
 時が経って2つの星は共に滅び、生き残った俺は偶然その次元に訪れたリリア様に拾われた。それからはリリア様やご息女のミリア様に仕えていたが、それもやがて終わり、何千年も色々な世界を渡って旅をして来た。偶に腰を据えることもあったが、それも生きて来た年月に比べればほんの一時のことで。ただただ1つの目的と1つの約束の為に生きて来た。

「なのはは何かなりたいものが?」
「うーん……まだはっきりとしたことは何も」
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