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能力者たちが事件を起こしたり解決したりするようです
第十話 大海を制すもの
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し無理やり足から引き剥がす

「気が緩むと血液による拘束も緩むのですね」

「いってぇんだよ!!」

叫びながら大蛇をぶつ切りにするように切り裂く
切られ息絶えた蛇は煙のように消える、そして蛇の死骸があった場所には黒く美しい髪の毛が残っていた

「髪の毛が蛇にでもなんのか...?」

「正解でもあり間違いでもあります、私は優しいので私の異能を教えて差し上げます」

そう言うと裾から何匹もの蛇が湧いて出てくる

「私の異能は自身の肉体の一部を代償にその代償と同価値の蛇を生み出すのです」

そう言いながら自らの手の爪をすべて引き剥がす
剥がれた爪と傷口から溢れた血液が一つにまとまり、先程よりも大きな20mもある巨大な蛇のバケモノが産まれる

「そんなのもありかよ...」

「須佐之男様、退却の時間です」

そう言いながら少女は須佐之男の方へ駆け寄っていく

────────────────────────

あたりは既に日が落ち元々照明のなく薄暗い裏路地は闇に染まっていた

隣で星雅と少女が小競り合いをしているが、この2人には目にも入っている様子はなかった
須佐之男の胸には大きな切り傷ができ、速水の脇腹には深々と刺し傷が出来ていた

「ふむ、貴様もなかなかに強いな、神速の」

「そりゃどーもな、そろそろスタミナ切れしそうなんだ、とっとと終わらせるか、それともお互いに矛を収めるか」

先程までの殺し合いから一転、2人は呆れ返るほどに冷静だった

「こうも邪魔をされては興が削がれる...全く余計な事を」

と、悪態をつきながらもほんの少し頬を緩める
須佐之男は既に少女と星雅の事に気付き、遅まきながら速水も気が付いた

「お仲間も来たみたいだしさ、もう今日は帰ろうや、良い子は帰って晩飯を食う時間だぜ?」

そう言いながら速水は背を向け、こちらに駆け寄ってきた少女と入れ違う

「ふふふ、そうだな、神速の異能者よ、今日はとても楽しませてもらったぞ、貴様の評価今一度改めさせてもらう」

そう言いながら少女を抱え背を向ける

「櫛名よ、そろそろ良い子は飯の時間だそうだ、帰ろう」

先程までの荒々しい気迫は既になく
妹を抱きかかえる兄のような優しい声で話しかける

そしてそのまま、櫛名と呼ばれた少女と須佐之男は裏路地の奥の闇へと消えていった



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