ブリューヌ激動編
第2話『勇者対魔物!蘇る銀閃殺法!』
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イさん!!――
――――――――――――――――――――――――――――――
その頃バートランは身支度の準備を終えて、、アルサスからライトメリッツに発つ前、ヴォルン家の屋敷に立ち寄ろうとしていた。
長年見慣れた屋敷が見えてきた頃だ。ちょうど半刻前に異変に気づいたのは。
「ふえええええ!ティッタお姉ちゃんがぁ!」
泣き叫ぶ子供の声も聞こえてきた。バートランはさらに足を急ぐ。子供だけじゃない。その場に居合わせていた大人たちも蒼白な顔で立ち尽くしていた。中には、腰を抜かして動かない者もいた。
「あ……ああ!」
「一体何があったのじゃ!?ティッタはどうした!?」
よほどショックが大きかったのか、しばらくバートランの問いに何も答えられなかった。だが、取り返しのつかなくなる予感がして、無理やり問い詰める。
「詳しいことを離してくれ!今すぐに!」
仔細が分かったバートランは急いで、小さな紙きれに内容を書き上げた。すぐに内容を見てもらえるよう、荒く丸める。仕方がない。
まず、ユナヴィールの村で避難勧告をしている凱に、セレスタの町で起きた怪事件を知らせる。郊外近くの兵士に伝令を走らせ、自身は何とかマスハスに知らせる。ガヌロン軍と接触する為、アルサス付近の知り合いの貴族に協力を要請するといっていた。
心当たりのある場所に当たれば、マスハスに会えるかもしれない。とにかく行動を開始すべきだ。
『半刻後・アルサス・ユナヴィールの村』
「ガイさん!ガイさぁぁぁん!!」
やっと避難活動が順調に進んできたところ、凱の下に一人の年若い兵士がやってきた。息を切らせて走ってきた兵士に、凱は見覚えがあった。
「一体どうしたんだ?君はたしか、セレスタの門兵」
「とにかく、これを読んでください!バートラン様からです!」
「バートランさんから?」
髪を元に戻し、素早く眼球運動を行い速読する。
つい眉を顰めたくなるほどの文字は、相当急いでいたのだと物語っていると凱は推測した。
「これは……」
次の一文を読んだとき、思わず、手紙に力がこもる。握られた手紙は大きくしわくちゃになる。
――ティッタが何者かに拉致された!――
次に仔細には、尋常ならざる舌、一瞬で人間を蒸発させる唾、ヴォルン家の家宝を狙ってやってきた中肉中背の青年等、居合わせた人たちから聞いたことを記していた。
だが、凱にとって、内容は二の次だった。
ティッタが拉致された。それだけで凱が動くには十分な理由だった。
(がオーブレスを屋敷に置いてきちまったが……今は時間がない!)
避難活動を促す際、不用意な警
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