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メン・タンク・マッチ:MTM
初動編
MTM:初動編 第5話「我団(チーム)」Aパート
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・・・嫌々、気にすんな」
(ほんとは、ちょー終わってほしいけどね)
と思いつつも優しく答える。
「実は、自分。・・・戦車が好きなんです」
「う、うん」
(そりゃ、そうだろうな。こんだけ語ってくれれば誰でも分かるよ)
「も、勿論、他の軍艦や航空機を始め、軍事関連の多くも好きなんですよ」
「お、おー。つまりミリオタってやつか?」
「えぇ、まぁそうですね」
と答える。
そんな会話をしていると
「先輩は戦車道って、知っていますか?」
とまた質問をされた。今度は戦車道というワードが出てきたのもあり天桐は大きく反応した。
「あ、あぁ知ってるよ。その、・・・テレビとかで見たことあるさ」
(本当はあの件で知ってるからね)
そう言う早間は、なぜか寂しい顔をして
「実は、自分には1つ上の姉がいるですけど。姉は、小さい頃から戦車道をよくしてたんです」
とまた何かを語り始めた。
(姉?)
「姉は、戦車道の才能を持ってたんです。小学校での地区大会にも出たこともあって凄い成績を残したり、中学の全国大会では隊長を務めてベスト4に入るほど凄かったんですよ」
「へー凄いな」
「けど、高校1年の時にある出来事があって、・・・戦車道を辞めてしまったんです」
「!」
その出来事というのが天桐は気になったが、相手の空気を読んだのか遠慮してそのまま黙って聞いた。
「それ以来、姉は戦車道に関わらなくなってしまったんです」
「・・・」
「自分は、昔から姉に憧れていたんですよ。戦車道をやっている時の姉を」
「・・・」
「どれだけ大変で辛くても笑顔で楽しそうに頑張る姉は、自分とってヒーローのような存在だった。そんな姉のお陰で自分も戦車好きになったんです。そして、男ながらも戦車道も好きになってしまった」
「・・・」
「けど、今は憧れだった姉は、もう戦車にすら関わりたくなくなった寂しい人へと変わってしまった」
「自分はある日、そんな姉に言ったんです。戦車道を続けてほしいと。どんだけ大変で辛くてもお姉ちゃんなら乗り越えられるって。・・・けど、姉は男のあんたにはあの辛い戦車道(こと)なんか分かる訳ないと言われました」
「・・・」
「確かに姉の言う通りです。男の自分が、戦車道をやったことのない自分が分からないのは当然だってこと位、理解してはいます」
「・・・」
「けど、自分はどうしても諦めることが出来なかった。そして、考えたんです」
「!」
「自分も戦車道を、戦車に乗って試合すればいいじゃないかって。姉に、自分が戦車道で頑張っている所を見せつければ、きっと姉は少しでも戻ってくれると信じてるんです」
「・・・」
「フッ、自分は夢を見過ぎてるんですかね。先輩はどう思います?やはり、馬鹿だと思いますか?」
「・・・」
「けど、そんな夢叶いません
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