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メン・タンク・マッチ:MTM
初動編
MTM:初動編 第5話「我団(チーム)」Aパート
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4時過ぎだった。
「あちゃー、こんなに寝ちまったか」
ほんの少しのつもりが3時間以上も休憩していたのには少し焦ったが、この頃の疲れを癒やせたと思えばいいと天桐は考えた。
寝ている加埜を起こし、再び話し合い始めた。
「アルベルトも言ってたが。やっぱ信頼出来る奴じゃないとな」
「やっぱ信頼のある奴を仲間にするべきだよな」
「よくも知らない奴に色々任せることは難しいぜ」
「だが、そうなると本当に誘える相手が減るんだよな」
いい方法はないかと二人は難しい顔をして考えた。
「ところでよ」
「なんだ?」
「竜二と賢太には、この話してるんだっけ?」
「・・・いや、まだしてない」
「そうだよ。竜二と賢太誘えばいいじゃねぇか。あいつらならきっと」
「駄目だ」
加埜の提案に天桐は拒絶した。
「・・・なんでだ?」
いきなり大声で反対する天桐に少し驚いたが理由がよく分からないので聞いた。
「あいつらは今、自分の道を行くために忙しい」
「それって二人の進路のやつか」
「・・・あぁ」
「・・・そうか」
加埜は納得したようで黙りこんだ。すると天桐は
「竜二は、一応就職すると言ってるけど。本当は将来、自分で作曲して音楽の世界で活躍するのが夢なんだ。」
と語り出した。
「音楽系の学校とかに行きたかったらしいが、家の都合もあって色々大変なんだ。だから、夢の為にもバイトして、お金をコツコツ貯めたりしてんだ」
「・・・」
「賢太も東京の大学へ行くために頑張ってるんだ。これからは大事な時期なんだ。だから、あいつらは巻き込むことは出来ない」
加埜はそう語る天桐の顔を見ると、少し悔しい顔をしているのが分かった。
「そうだな。わかった。俺の考えが軽かったよ。・・・悪かった」
「いや、俺も大声で、その悪い」
と天桐も少し反省した。
「あいつらには、この事は内緒するか?」
「あぁ、・・・頼む」
加埜のその質問に、天桐はそうお願いした。
「けど、どうするかだ。他に誘える奴がいるっちゃいるけど。戦車道に出てくれる奴なんかあんまいないだろう」
「そうだよな」
「取り敢えず、明日何人か誘ってみようぜ」
「あぁ、そうしよう。あ、それとあんま言いふらすなよメン・タンク・マッチ(この件)は、公にしないように言われてるんだからな。説明も出来るだけ」
「あぁ、分かってるって」
天桐と加埜は、その日の話し合いを終えた。


翌日、二人の学校や近所の知り合いの男達に話をして誘ってみた。男が戦車で熱いバトルといったことやミリタリー系ことで興味を持った人が多かったが、結局誰も参加するところまでは気持ちが行かなかった。そのまま、余り進展のないままゴールデンウィークが終わった。


登校初日の朝
「おはよー」「よう」「おひさ」といった若者の声がた
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