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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
二十八話 Sword breaker
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回戦からだった。

先ずリオ、彼女は祝日のプライムマッチで試合を行う、上位選手(トップファイター)の、エルス・タスミンか、あのハリー・トライベッカの試合における勝者と試合をすることになる。いずれにしても上位選手が相手であり、厳しい試合になることは必至だ。
次にアインハルトとコロナ、この二人の三回戦の相手は、……そう、お互いだ。つまり同チーム対決ということになっていた。勝負である以上勿論恨み言も何もなし、貴賎なしの真剣勝負だが、どちらか片方が必ず脱落しなければならないというのは、やはりつらいものがある。
そして最後に、ヴィヴィオ、彼女の試合の相手は、今日一回戦、二回戦と勝ち抜いて見せた、ミウラ・リナルディだ。あの試合をみれば、否が応にも強敵であると認めざるを得ない。これも、厳しい試合になるだろう。

とはいえ、今はただ、それらの試合に向けて準備をするのみ。迎えに来たなのは達と一緒に帰るため、準備をしているときだった。
唐突に、一団に近づいてくる影を見つけて、ライノが軽く手を挙げた

「ん?よぉ、遅かったなクラナ」
「!お兄ちゃん!!?」
「あ、クラナ先輩!!」
「「「お疲れ様です!!」」」
「……あぁ」
少女たちの挨拶に鷹揚にうなづいてクラナはチーム+なのは達の一団を見渡す。

「ほら、ヴィヴィオ!」
「報告しなきゃ!」
「え!?あ、えぇっと……」
と、リオとコロナが唐突にヴィヴィオの事を前に押し出し、彼女の口から今日の結果を報告しろと求める。

「あ、えっと……か、勝ったよ!全員、エリートクラス三回戦!!」
「……そうか」
勢い余って、少し裏返った声でヴィヴィオは今日の戦果を報告する。自分達の勝利の嬉しさを共有したいのもあるが、なにより、明日の兄の試合に向けて、精神的に弾みをつけてほしいという願いがヴィヴィオの中にはあった。

「…………」
「……あ、え、と……」
「…………」
しかし黙り込んでしまった兄に、それ以上言葉が続かない。言うべきことは言ったはずだが、その後をどう続ければいいのかが分からない。その所為で、全体に一瞬、緊迫した空気が漂う。

「あのね、クラナ……」
耐えかねたように、なのはが、助け舟を出そうと口を開きかけた。その時だ。

「……次は、俺だな」
「……!」
静かな言葉……しかし、確かに、ヴィヴィオの言葉を受け取ったうえで紡がれた、彼自身の意思を持った言葉。クラナが久しぶりに見せた。明確な、ヴィヴィオの言葉への答え。

「……う、うん、うん!そうだよ!次はお兄ちゃんの番!」
顔を見上げて、はっきりとクラナの目を見ながら、何度も頷いてヴィヴィオは言った。それに続くように、アインハルト、コロナとリオもクラナに言う

「……ご武運を」
「頑張ってください!」

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