暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
二十八話 Sword breaker
[9/13]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
!!]」
そんな実況と共に、拍手と歓声が割れんばかりに鳴り響く。セコンドたちにも祝福を送られながらリングを降りたミウラを出迎えたのは……見剣に青筋を立てたヴィータと腕を組んだザフィーラだった。
「あぅ……」
「ったくてぇめぇえぇはぁ……むっちゃクチャな戦い方しやがって!!」
「勝てたから良いとは言わんぞ。指導事項は山ほどあるからな」
「は、はいぃ……」
いきなりの叱責に、ミウラは勝ったというのに愕然と顔を落とす。とはいえ、これは正直当然だ。居合剣士、それもトップファイターに対して正面突撃からの致命打。呆れられても怒られても文句は言えない。帰ってからの説教を想像して、ミウラの胸中は早くも暗雲がモクモクと立ち込めていた。しかし……
「まーまー、それでも、ミウラは頑張ったよ?」
「そうそう、一回戦突破、おめでとう」
応援に来てくれたらしいはやてとシャマルの声を受けて、ミウラはパッと顔を明るくした。そう、しかしなんといっても、彼女は勝ったのだ。今はただ、つかの間の勝利の喜びを、笑顔で表現したかった。
────
一方観客席では、ベテランファイターの技巧と、それを乗り越えて見せたルーキーファイターの健闘をたたえる声と、そのベテランファイターの敗退を惜しむ声とが混在しつつ、次の試合への期待が渦巻き始めていた。そんななか、ハリーは良き友人でもあるミカヤの敗北に、残念そうに言葉を漏らす。
「ミカ姉、負けちまったか……勝負はまた来年……として、今日はもう、会わねー方が良いだろうな……とりあえずは、自分の試合に集中すっか」
「うん……」
気を取り直すように、一度手すりを叩いて乗り出していた身を起こしながら、ハリーはジークに向き直る。
「そりゃそうと、お前も気ィ抜いて、負けたりすんじゃねーぞ!」
その言葉に一瞬驚いたようにジークは目を丸くすると、すぐに安心させるように微笑んだ。
「平気、ウチもヴィクターや番長たちと試合したいし、四回戦でちょっと気になる子とも当たる……それに……」
「……?それに?なんだよ?」
「……うぅん、なんでも」
「?」
誰もいなくなったリングを見ながら、ジークは心の中でひとりごちる。
「(……ちょっとだけ、自分の試合を見てほしい人もいるんよ……)」
────
その後の試合も白熱したが、多くは順当な結果を残して終わった。チームナカジマのメンバーはそれぞれエリートクラス二回戦へと駒を進め、そこでも順当な勝ち星を挙げて三回戦へと進んだ。ルーテシアやシャンテ、ヴィクトーリアといったメンバーも同様に勝ち星を挙げ、祝日に行われるプライムマッチを除いて女子の部における一、二回線は全試合が終了、三回戦からは来週以降へと持ち越される。
しかしチームナカジマの面々にとって、大変なのはこの三
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ