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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
二十八話 Sword breaker
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着されると流石に対応に焦るところはある。だが、元来それを対策してきたのだ。最終的に打ち勝つだけのポテンシャルは彼女も持ち合わせてきたし、無抵抗で殴られること等ありえない。
「(だが、こりゃあ手強い……!)」
ミウラの基本戦術は、ミカヤも理解できた。俊足の蹴りで間合いを詰め、そのまま密着、重い拳で連撃を入れてくる、所謂、
強打者
(
ハードヒッター
)
だ。だが、鈍足ではなく速さのある重撃、そこのバランスが良いおかげで、ただ重いだけの選手よりも数段高い攻撃力を発揮している。
「(しかし残り一分、ライフはこちらが有利、切り伏せる余裕はある!)」
現に、ミウラの息は上がっていた。すでに彼女のライフは三桁。やはり、前半に受けた大ダメージが大きすぎる。しかして彼女の目に、諦めはない。まだ、カードを出し切っていない、まだ、全てを出し切っていない、まだ……
「……?」
その瞬間、空間の流れが変わったのを、ミカヤをはじめ会場に居た何人かは敏感に感じ取る。空間に残る流れが、ミウラの下へと集まりだす。それはミカヤが放ったものであり、ミウラが放ったもの。互いの強化魔法によって空間中に放たれたそれらが、ミウラの足元へと集まり始めた。
「(まだ……切り札が残ってる……!!)」
そう、一般的に“空間魔力”と呼ばれるそれが、ミウラの下へと流れ始めていたのだ。
「……行くよ、スターセイバー……!」
語り掛けた彼女の言葉に、星の剣は高らかに答えた
[YES!!]
ガコン!!と音を立てて、ミウラの脚にあてがわれていた銀色の脚鋼が“開いた”。その瞬間、彼女の足元に円形のミッド式魔法陣が展開されると、彼女の脚部が強烈な光を放ち、その名が紡がれる。
「抜剣……!!!」[Sword on!!!]
「(抜……剣……!?)」
ぞわりと再び全身が泡立ったのは、その威圧感故、だけではない。尋常ではない魔力が、その足元に圧縮されているのが見ただけで分かったためだ。明らかに彼女自身の魔力だけではない、あれは空間全体から集めて圧縮されているものだ。つまり……
観客席にいた、二人が言った
「なのは、あれって……」
「うん……
集束系魔法
(
ブレイカー
)
だよ」
その能力は元々、ある一種の魔法技能を現す言葉だ。この世界の魔力は主に、生物の体内に存在する生体魔力と、空間中に存在する空間魔力が存在する。生体魔力は空間魔力の存在する空間中で活動することにより体内に蓄積されるものであり、本来魔法に使用されるのは生体魔力だ。この生体魔力は使用すると体外に放出され、再び空間魔力として漂うことになる。
しかし希に、生体魔力ではなく空間魔力を直接使用し、魔法を使用することが出来る技能を持つものが居る。その魔法技術系統の一つが、その空間魔力を一か所に対して集中して運用す
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