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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
二十八話 Sword breaker
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けのダメージと状況だ、心が折れても、勝ちを諦めてもおかしくはない。なのにどうして彼女はまだ折れていないのか。何故彼女は……
「(『まだ“勝てる気”でいるのか』……などと、考えていてもらちは明かんな……)」
彼女はこの一年、可能な限り、格闘戦技への対策を鍛えてきた。去年負けた相手、次元世界最強の十代女子、ジークリンデ・エレミアと再戦し、そして勝つためだ。そのために、あらゆる格闘戦技と戦ったし、その対策を考え抜いた。いかなる戦技が来ても、切り伏せる用意は出来ている。
「…………ッ」
ズキリ、と、ミウラは先の連続斬撃をぎりぎりで防いだ腕が傷んだのを感じた。戦闘に支障はないが、その痛みは否応なく、先ほどの破壊力と、それに対する恐怖感を思い出させる。
「(だけど……まだ……まだ、全部を出し切ってない……!)」
ミウラ・リナルディという少女は、お世辞にも冴えた女の子、とはいい難い少女だった。
自己評価を並べ立てるなら、不器用で人見知り、口下手でドジでおっちょこちょい。運動も勉強も特筆して出来ることがあるわけでもなく、自分に自信がないまま、ただ生きているだけの子供だったと思う。けれどこの前の練習で、セルジオが言ったのだ。
『ミウラはスゴいナ!!』
『えっ?』
『オマエはスゴいゾ!!つよいしナ、はやいしナ……とにかく、スゴくスゴいナ!!』
『……そ、そうかなぁ……』
それはどう聞いても、気の利いたほめ言葉というわけではなかったけれど、それでもこの世界の言葉に詳しくはない彼なりに考えた、精一杯のほめ言葉だったと思う。そしてそう言ってもらえる自分になれたのは、自分が自分に胸を張れる自分になれそうな所までこれたのは、きっと、あの日手を差し出してくれたはやてとシャマルのおかげで、そのおかげで出会うことが出来たヴィータやザフィーラ、シグナムの教えがあったから。
出会ったすべての人が、自分をここまで押し上げてくれた
「[さぁ、試合再開です!!]」
「(……怖くなんかない……!)」
相手の間合いへ踏み込むことへの恐怖は、セルジオと戦ったおかげで克服できた……踏み込む技術は、シグナムとヴィータの教えてくれた技術で知っている……踏み込みさえすれば、師と、今まで戦いが教えてくれた自分の戦いで戦うことが出来る……。
誰かに教えられたすべてが、自分の一歩一歩になる……ならば……。
「[Ready──]」
「(ボクは……ボクの全部を……)」
自分がするべきことは……
「[──Fight!!]」
「(……ぶつけるだけッ!!)」
「!?」
その瞬間、ミウラの姿が、先ほどミカヤがしたように、ブレた。
次の瞬間には、ミウラは既に大きくミカヤに向けて距離を詰めている。構えは蹴り。大きく引いた彼女の右足が、彼女の体を追うようにミカ
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