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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
OVA
〜暗躍と進撃の円舞〜
密談
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頷く。
「サラマンダーを《使って》の、ケットシーへの攻撃」
つまり、火妖精達は完全な被害者。交易キャラバンを襲われ、戦争の《火種》にされようとしているのだ。
「
サラマンダー
(
トカゲ
)
どもはそんことに気付いて、操られまいとしたが身内の過激派の声に圧され、結局抗議文で手を打った……ざっとこんなトコかぃな」
別に操られたままでいてもメリットはあっただろうに。
無駄な
自尊心
(
プライド
)
は相変わらずやね、と溜め息を吐きつつヒスイは肩をすくめる。
「しかし、そうなると気になるんは敵さんの目的やね。主戦派に手を焼いて不安定になったマンダー連中の切り崩しか、あるいは――――
狼騎士隊
(
ウチ
)
の押さえつけかぇ?」
「後者ならマズいかも。ただの領間戦争にドラグーンは出せない」
「……やっぱりフェンリル隊を押さえたのは早計やあらへんか?」
「しょーがないでショ。ああでもしなきゃ、また別の問題が噴出するんだもん。声が大きくなってる主戦派を完全に潰すには、あれくらいしなきゃ。ま、支持率の低下は仕方ないこととして割り切るっきゃないけどサ」
コケティッシュな唇に苦みのあるものを滲ませながら、小さな領主は苦悩の色を見せる。
支持率の低下は、裏を返せば信頼性の消失ということでもある。彼女にとって領民から向けられるその評価は身を切るより辛いものだったのだろう。
無理しおってからに、と。
その稲穂色の髪を梳くように撫でつけて、ヒスイは話題を変えた。
「――――となると、ウチに攻めてくる可能性のある種族って、マンダー連中以外におるけ?」
「ウーン、考えられるのは……
水妖精
(
ウンディーネ
)
……とか?」
撫でられるままになっているアリシャは、おとがいに指を添えながら自信なさげに言う。
「アイツらか?でもあそこは、攻略第一やったろう」
ワールド南東部。三日月湾という丸く抉れたような湾口を根城にしているウンディーネは、その功績のほとんどをダンジョンや大規模なイベントクエストの踏破という形で残している、エリート志向のイケメン種族だ。
これまで領間戦争には不動の姿勢を崩したことがない彼らが、世界樹のグランドクエストもなくなった今、参戦する理由はあまりないように思える。
胡乱な視線を向けられたアリシャは、だらだらと冷や汗の感情表現エフェクトを伴わせながら口を開いた。
「で、でも、規模的にドラグーンとフェンリル抜きでウチとやりあえる種族って言ったら、ウンディーネかノームくらいしかいないヨ」
「
土妖精
(
ノーム
)
、か……。単純な距離で、ウチに攻め込む腹ならノームやろね」
だが攻め込むと言っても、システム的にそれはできない。いや、正確にはできるはできるが、必ず負けるのだ。
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