第13話 気づいた本音、残った疑問
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い出した。やはり、女の子は怖い
「あ、あの...僕は―――」
「そこでなにしているのかしら?」
ここから逃げ出したい一心で震えていたら、音ノ木坂の正門の方から聞き覚えのある綺麗な声が聞こえ、目だけをその声のしたほうへ動かす。
「やばっ!怒られる!」と三人は目くばせしたかのように足元に置いてあった鞄を拾い上げ一目散に逃走していった。
取り残された僕と......生徒会長の絢瀬絵里先輩は対面する。
「...」
「...」
暫し沈黙が訪れ、ピリピリした空気を最初に砕いたのは絢瀬先輩の溜息だった。
「はぁ〜。一体君はここで何をしているのかしら?生徒から『正門前に男子高校生がいる』という話を聞いて急いで駆けつけてみたら...」
「す、すいません絢瀬先輩。お久しぶりです」
「久しぶりね。で、なにしてたのかしら?」
「それは...」
〜☆〜
「...なるほどね。でもそういうことは今後控えてもらえるかしら?生徒の不安を高めるようなことをされるとただでさえ、廃校問題で生徒の間で大騒ぎになってるのよ。余計なことをしないでもらえるかしら」
「はい...すいませんでした」
生徒会室。
僕は事情聴取という名の尋問を受けていた。
絢瀬先輩の隣には何食わぬ顔で資料に目を通すのは東條先輩。
「ところで高橋くんはスクールアイドル...μ`sとの関わりがあるのかしら?」
「え、えぇ...まぁ。お手伝いしてますから」
「なら貴方にも伝えておくわ。その活動、今すぐやめなさい」
声のトーンを下げて、冷徹な口調で宣言する。
やめなさい...それはつまりスクールアイドル活動の停止。それは音ノ木坂のこれからを奪うことになるかもしれないというのに。果たしてそれは正しい判断なのかな?
僕にはわからない。
「どうしてですか?やっぱり、部員の人数が足りないからなんですか?」
「それは関係ないわ。貴方たちの活動が音ノ木坂学院のプラスになるとは思わないからよ」
「そう...ですか」
―――プラスにならない。
スクールアイドル活動がプラスにならないと、高坂先輩たちの努力を否定されたことが悲しかった。僕の中の絢瀬先輩という”カタチ”が今の発言で壊れかけていることが悲しかった。
この時の僕は、一体どんな顔をしていただろうか。よくわからない。
多分、何の表情もしていなかったと思う。
「それに貴方はここの生徒じゃないでしょう?貴方が高坂さん達のお手伝いする理由、無いと思うんだけど?」
「っ!ぼ、僕にだって理由はありますよ!」
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