第13話 気づいた本音、残った疑問
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てはいけないと焦りを覚えた。
他でもない、花陽と凛の為に。
さらに視線はちらほらと窺える生徒たちへ。
女子高というだけあって歩いている学生は女の子ばかり。
背の高くて美しい雰囲気の女の子もいれば、小っちゃくて小動物のように愛嬌のある女の子。元気のあってその大きな声が僕にまで届きそうな女の子、様々だ。
そんな時、一人の女子生徒が視界に入った。
黒くて長い髪を左右に分けてツインテール風にしている小さな女子生徒。
どこかで見たことがあるような気がする。
まぁ、そんなことは置いといて。
正直、正面からだけだとどんな学校なのかわからない。グラウンドだとか講堂だとか...そういったものを見てみたい。だけど一つ疑問が残る。
「これって...僕が入ったらアウトかな?」
そう。由緒正しい女子高なのだから異分子である僕が入ったら大騒ぎになること間違いなし。
現に僕は正門前で立っているけど、警備室にいる警備員さんが僕が侵入するのを今か今かと待ち望んでるかのように睨んでいる。蛇に睨まれた蛙とは...多分このことだ。多分。
「さて、こうなることがわかってたらこんなに早く来なかったのになぁ」
完全に僕の想像力不足だった。
時間まで余裕があるため一気に暇になってしまった僕は正門から少し離れたところにあるベンチに腰掛け、大きくあくびをする。
「ふぁぁ〜...んっ?」
何やら外野が騒がしくなったような気がした。
あくびのせいで出てきた涙を拭い、周りをキョロキョロと見渡すと音ノ木坂の女子生徒が僕を見て黄色い声を上げていた。
騒がしくなった原因はこれだ。だけど、僕の何を見て騒いでいるのだろうか...。もしかして女子高の近くに男子の僕がいるから不審者と思われているからか!
それは非常にまずい。ここで僕が不審者と誤解されたままだと幼馴染の花陽と凛にあらぬ被害を被るかもしれない!
ちなみにここまでの思考はたったの2秒。
咄嗟に立ち上がり、僕は不審者じゃないということを説明しようとする。
「あ、あの!僕は決して怪しいものじゃ???」
あまりにもテンプレ的な弁明の入り方に、もう少し効果的な話の入り方があったはずだと自分の順応性の低さにちょっぴり後悔する。
だけど、事は僕の予想していたものとは別の方向へと進むのであった。
『ねぇあの人誰かな?かなり格好いいんじゃない?』
『だよねだよね!!しかも背が高いし!』
『誰かの彼氏さんなのかな?まさかお迎え!?いいなぁ〜私もああいうカレシ欲しい!!』
僕を見た女子高生は何種類かの褒めているような言葉を異口同音に並べる。
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