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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
ダークリパルサー
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て、リズベットは息を呑む。
「でも、生きてた。意外だったけど、リズと一緒に生きてたことが、すごく嬉しかった。それで、夜に……リズが、俺に手を差し出した時、わかったんだ。リズの手が温かくて……この人は生きてるんだって思った。俺も、他の誰だって、決していつか死ぬために存在しているわけじゃな、生きるために生きてるんだって思えた。だから……ありがとう、リズ」
「………」
今度は、心の奥から、本当の笑みが浮かび上がってきた。あたしは不思議な
感慨
(
かんがい
)
に
捉
(
とら
)
われながら、口を開いた。
「あたしも……あたしもね、ずっと探してたんだ。この世界での、本当の何かを。あたしにとっては、あんたの手の温かさがそれだった」
不意に、心の奥に突き刺さった氷の棘が、ゆるりと溶け出すような、そんな気がした。いつしか涙も止まっていた。2人はしばらくの間、黙って見つめ合っていた。あの
飛翔
(
ひしょう
)
の時訪れた奇跡の時間の手触りが、再びあたしの心を一瞬だけ撫で、消えた。
報われた。そう思った。
今のキリトの言葉が、割れ落ちたリズベットの恋の欠片をくるみ、そのまま深いところに沈んでいくのを感じた。
リズベットは一度強く瞬きして、小さな
雫
(
しずく
)
を払い落とすと、微笑みながら口を開いた。
「さっきの言葉、アスナにも聞かせてあげて。あの子も苦しんでる。キリトの温かさを欲しがってるのよ」
「リズ……」
「あたしは大丈夫」
そっと頷き、両手で胸を押さえた。
「まだしばらくは、熱が残ってる。だからね……お願い、キリトがこの世界を終わらせて。それまでは、あたし頑張れる。でも、現実世界に戻ったら……」
ニッと悪戯っぽく笑った。
「第2ラウンド、するからね」
「………」
キリトも笑い、大きく頷いた。次いで左手を振り、ウィンドウを出す。何をするのかと思っていると、背中から《エリュシデータ》を外し、アイテム欄に格納した。続けて装備フィギュアを操作すると、同じ場所に新しい剣が実体化した。《ダークリパルサー》。リズベットの気持ちが詰まった、白い剣。
「今日からこの剣が俺の相棒だ。代金は……向こうの世界で払うよ」
「おっ、言ったわね。高いぞ」
笑い合いながら、ごつんとお互いの右拳を打ちつける。
「さ、店に戻ろう。アスナが待ちくたびれちゃうし……お腹も空いたし」
言うと、リズベットはキリトの前に立って歩き始めた。最後に1回、ぐいっと両目を拭うと、目尻に留まっていた最後の涙が散り、光の粒になって消えていった。
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