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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
ダークリパルサー
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ストレージ画面をスクロールし、馴染みの細工師からまとめて仕入れている鞘の一覧をざっと眺める。キリトが背に装備しているものに良く似た黒革仕上げのやつを選び出し、オブジェクト化。小さくうちのロゴが入ったそれをキリトに手渡す。

ぱちりと音をさせて白い剣を鞘に納めたキリトが、ウィンドウを開いてそれを格納した。背中に2本装備するのかと思ったらそういうわけでもないらしい。

「……内緒なんだ?さっきの」

「ん、まあな。黙っててくれよ」

「りょーかい」

スキル情報は最大の生命線、聞くなと言われれば追求はできない。それよりも、秘密の一端にせよ見せてくれたことが嬉しくて、あたしは小さく笑って頷いた。

「……さて」

キリトは腰に手を置くと、表情を改めた。

「これで依頼は完全完了だな。剣の代金を払うよ。幾ら?」

「あー、えっと……」

あたしは一瞬、唇を噛んでから、ずっと胸の中で暖めていた答えを口にした。

「お金は、要らない」

「え?」

「その代わり、あたしをキリトの専属スミスにして欲しいの」

キリトは(わず)かに眼を見張る。

「……それって、どういう……?」

「攻略が終わったら、ここに来て、装備のメンテをさせて……。毎日、これからずっと」

心臓の鼓動が際限なく速まっていく。これはバーチャルな身体感覚なんだろうか、それともあたしの本当の心臓も、今同じようにドキドキしているんだろうか?と頭の片隅で考える。頬が熱い。きっと、あたしは今顔中が真っ赤になっていることだろう。

いつもポーカーフェイスを崩さなかったキリトも、あたしの言葉を悟ったのか、照れたように顔を赤くして俯いた。今まで年上に見えていた彼だが、その様子を見ていると同年代か、ことによると年下のようにも思えてくる。

リズベットは勇気を振り絞って1歩踏み出し、キリトの腕に手をかけた。

「キリト……あたし……」

竜の巣から脱出した時はあんなに大声で叫んだ言葉だったけれど、いざ口にしようとすると舌が動かない。じっとキリトの黒い瞳を見つめ、どうにかその一言を音にしようとした……その時だった。

工房のドアが勢い良く開いた。リズベットは反射的にキリトから手を離し、飛びのいた。

「リズ!!心配したよー!!」

一瞬遅れて駆け込んできた人物は、大声で叫びつつリズベットに体当たりするような勢いで抱きついてきた。栗色(くりいろ)の長い髪がフワリと宙を舞う。

「あ、アスナ……」

唖然(あぜん)として立ち尽くすリズベットの顔を、アスナは至近距離で睨みながら猛然(もうぜん)とまくし立てた。

「メッセージは届かないし、マップ追跡もできないし、常連の人も何も知らないし、
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