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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
ダークリパルサー
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いう風に読めるが、そこは様々な噂やオカルトの飛び交うSAOのこと、叩くリズムの正確さと気合が結果を左右する、という根強い意見がある。

あたしは自分のことを合理的な人間だと思っているけど、この説だけは長年の経験から 信奉しんぽうしている。ゆえに、武器を作る時は余計なことを考えず、ハンマーを振る右手に意識を集中し、無の境地で叩き続けるべし、という信条がある。

しかし。

カン、カン、と心地よい音を立ててインゴットを叩きながら、今だけはリズベットの頭の中に色々な想念が渦
巻いて去ろうとはしなかった。

もし首尾よく剣ができて、依頼が終了したら__。当然キリトは最前線の攻略に戻り、そうそう会うこともなくなるはずだ。剣のメンテに来てくれるとしても、せいぜい10日にいっぺんがいいところだろう。

そんなの__そんなの、嫌だ。あたしの中で、そう叫ぶ声がする。

人の温かさに飢えながら__ううん、だからこそ、あたしは今まで特定の男性プレイヤーとの距離を縮めることに躊躇(ちゅうちょ)してきた。あたしの中の寂しさの種が恋心にすり替わってしまうのが怖かったから。それは本当の恋じゃない、仮想世界が作る錯覚だと、そう思ってきたから。

でも夕べ、キリトの手の(ぬく)もりを感じながら、あたしは、そのためらいこそがあたし自身を縛る仮想の(いばら)だと悟った。あたしはあたし。鍛冶屋リズベットであり、同時に篠崎(しのざき)里香(りか)でもある。キリトも同じだ。ゲームのキャラクターじゃない、血の通った本当の人間だ。なら、彼を好きだ、という気持ちだって本物なんだ。

満足の行く剣が打ち上がったら、彼に気持ちを告白しよう。傍にいて欲しい、毎日、迷宮からこの家に帰ってきて欲しいと、そう言おう。

インゴットが鍛えられ、輝きを増していくのと同時に、あたしの中の感情も確固としたものになっていくようだった。あたしの右手から思いが溢れ出して、(つち)を通して生まれている武器に流れ込んでいくのを感じた。

そして、とうとうその瞬間がやってきた。

何度目とも知れない。多分200回から250回の間、音が響いた直後、インゴットが一際眩い白光を放った。

長方形の物体は、輝きながらじわじわとその姿を変えていく。前後に薄く延び始め、次いで(つば)と思わしき突起が盛り上がっていく。

「おお……」

低い声で感嘆(かんたん)(ささや)きを()らしながら、キリトが椅子から立ち上がり、近づいてきた。あたし達が並んで見守る中、数秒をかけてオブジェクトのジェネレートが完了し、ついに1本の剣がその姿を現した。

美しい、とても美しい剣だった。ワンハンド・ロングソードにしてはやや華奢(きゃしゃ)だ。刃身は薄く、レイピアほどではないが細い。インゴッ
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