暁 〜小説投稿サイト〜
Sword Art Rider-Awakening Clock Up
決死の脱出
[1/11]
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
衝撃、轟音!!
爆発めいた勢いで舞い上がった雪が、フワフワと落ちてきて頬に触れ、消えた。
その冷たさで、リズベットの飛びかけた意識が引き戻された。眼を見開くと、リズベットにきつく抱きしめられたままのキリトが片頬を引きつらせてかすかに笑った。
「……生きてたな」
リズベットもどうにか頷き、声を出した。
「うん……、生きてた」
数秒間、2人はそのままの姿勢で横たわっていた。
やがてキリトは腕を解き、のそりと体を起こした。腰のポーチからハイポーションとおぼしき
小瓶
(
こびん
)
を2つ取り出し、1つをリズベットに差し出した。
「飲んどけよ、一応」
「ん……」
頷いて、リズベットは上体を起こした。 瓶びんを受け取り、HPバーを確認すると、リズベットのほうはイエローゾーンまで残っていたが、直接地面と激突したキリトのHPはレッドゾーンまで突入していた。
ハイポーションの瓶の先端に口を付け、甘酸っぱい液体を一気に飲み干してから、あたしはキリトのほうに向き直った。ぺたりと座ったまま、まだうまく言う事を聞かない唇を動かす。
「あの……、ありがとう。助けてくれて……」
するとキリトは、例によってシニカルな笑みをかすかに滲ませ、言った。
「礼を言うのはちょっと速いぜ」
ちらりと横に視線を向ける。やがて人差し指を向け、リズベットはその箇所に視線を移す。
「ん?」
視線を移した場所に、緑色に光る小さな点を捉えた。更に、その点の下には少年と思わしき影が倒れ込んでいた。
「え……ひ、人!?」
プレイヤー特有のグリーンカーソルが見えた時点で、自分とキリト以外にもこの穴の底に落ちたプレイヤーがいたと確信はしていた。
やがて、横たわったままのプレイヤーが上体をゆっくりと起こし、フードを取ってから2人に顔を向けた。
見た目はキリトと同い年くらいの紺色髪をした少年。
「うっ……」
しかし、リズベットは少年の右頬にある2つの傷痕を見て後退るような態度を取った。
リズベットの行動を悟った少年が口を開く。
「俺の顔を見る奴らは大抵、変な印象を持つものだ」
「あ、いや、そういうわけじゃ、ない……けど」
それとなく眼を横へ向けながらキリトの顔を伺った。だがキリトは驚きを表すことなく少年に話しかけた。
「やっぱりな。落下してる時、お前の姿も見えたぜ、ネザー」
「……よりによってお前が一緒とはな」
2人の普通な会話にリズベットは頭に《?》が浮かんだ。
不意に、キリトの肩を軽くポンポンと叩いて問う。
「ねえ、キリト。この人知り合いなの?」
「ああ、まぁな。そういえば、初対面だよな」
そう言ってキリトは、目の前で胡坐(あ
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ