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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
決死の脱出
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込むな。結晶が使えないってことは、別の脱出手段があるはずだ」
「……そ、そんなのわかんないじゃない。落ちた人が、100パーセント死ぬって想定したトラップかもしれないじゃん」
「なるほど。それもそうか」
キリトがあっけなく頷くのを見て、リズベットはガックリと脱力する。
「あ、あんたねぇ!もうちょっと元気づけなさいよ!!」
「うるさい。静かにしろ」
リズベットの荒げた声に耳障りを感じた俺は、思わず口を挟んだ。
直後、キリトが言った、
「……1つ思いついたことがある」
「本当!?」
「どんな案だ?」
この時、キリトはとんでもない意見を言った。
「壁を走って登る」
キリトが真顔でそう言った瞬間、場の空気が一気に
白
(
しら
)
けた。
「……バカ?」
「バカかどうか試してみるか……」
リズベットが唖然として見守る中、キリトは壁ギリギリまで近づくと、突然反対側の壁目掛けて凄まじい速さでダッシュした。床に積もった雪が盛大に舞い上がり、突風がリズベットとネザーの顔を叩く。
壁に激突する寸前、キリトは一瞬身を沈めると爆発じみた音と共に飛び上がった。遥か高みで壁に足をつけ、そのまま斜め上方へと走り始める。
「うっそ……」
「果たして辿り着けるか……」
眼と口をポカンと開けて立ち尽くすリズベットと、ただ見てるネザーの遠い頭上で、キリトがアメリカ製C級映画の忍者のごとく、氷壁を
螺旋状
(
らせんじょう
)
に駆け上がっていく。みるみるうちにその姿は小さくなり、3分の1近くも登ったところで、ツルンとこけた。
「わあああああ!」
両腕をバタバタ振り回しながらキリトが落ちてくる。途端、俺はリズベットの頭にめがけて落ちていることを悟り、その場から少し遠ざかった。
「わあああ!?」
悲鳴を上げて飛び退ると、寸前までリズベットが立っていた場所に、びたん!という音と共に人型の穴がうがたれた。
1分後、2本目のポーションを咥えたキリトと並んで壁際に座り込み、リズベットは大きくため息をついた。
「あんたのこと、バカだとは思っていたけど、まさかここまでの大バカとは……」
「バカとしか言いようのない男だよ、こいつは」
「もうちょっと助走距離があればイケたんだよ」
飲み干した
瓶
(
びん
)
をポーチに放り込んだキリトは、1回伸びをして俺に言った。
「今度はネザーがやってみればどうだ?忍者もどきのお前になら楽勝だろ」
「……遠慮しておく」
バカの二の舞にはなりたくないからな、と内心でぼそりと呟いた。
「ま、ともかく、こう暗くなっちゃ今日はここで野営だな。幸いこの穴にはモンスターはポップしないみたいだしな」
確かに、夕焼けの色は
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