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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
決死の脱出
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。
ある程度の高さまで走った途端、ネザーが眼で合図を送った。キリトとネザーは壁を蹴って宙返りし、ドラゴンの背中に向かって落下していく。落下中に2人はそれぞれ剣を鞘から抜き、ドラゴンの背中に剣を突き刺した。
その途端、ドラゴンが甲高い叫び声を上げた。驚愕の悲鳴に聞こえたのは気のせいだろうか。いよいよもって2人の意図が理解できず、リズベットも喚き声を上げようとした所で。
突然、白竜が翼を広げ、凄まじいスピードで急上昇を開始した。
「うぷっ!」
空気が顔を叩く。と思う間もなく、剣の柄を両手でしっかり握るネザーと、リズベットを抱えたままのキリトは弓で撃ち出されたかのような勢いで宙に飛び出した。竜の背中に引っ張られながら縦穴を駆け上がっていく。円形の穴底がみるみる遠ざかる。
「リズ!掴まってろよ!」
キリトの声に、無我夢中で彼の首にすがり付く。周囲の氷壁を照らす陽光はどんどん明るくなり、風切り音のピッチが微妙に変わって__白い輝きが爆発した、と思った瞬間、リズベット達は穴の外へと飛び出していた。
一瞬細めた眼を見開くと、55層のフロア全景が眼下いっぱいに広がっていた。
真下には綺麗な
円錐形
(
えんすいけい
)
の雪山。少し離れたところに小さな村。広大な雪原と深い森の彼方に、主街区の家々が
尖
(
とが
)
った屋根を重ねている。それら全てが明るい光を受けてキラキラと輝く眺めに、リズベットは恐怖も忘れ、思わず歓声を上げた。
「わぁっ……」
「イェー!!」
キリトも大声で叫び、ネザーと一緒に竜の背中に突き刺した剣を抜いた。キリトはリズベットをひょいっと横抱きにして、慣性に任せて宙をくるくると舞う。
飛翔は数秒のことだったのだろうが、その10倍にも感じられた。リズベットは笑っていたと思う。溢れる光と風が心を
雪
(
すす
)
いでいく。感情が
昇華
(
しょうか
)
していく。
「キリトーーあたしねぇ!」
思いっきり叫んだ。
「何!?」
「あたし、キリトのこと、好きー!!」
「なんだって!?聞こえないよ!!」
「なんでもなーい!!」
ギュッと首に抱きついて、リズベットは笑い声を上げた。
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