暁 〜小説投稿サイト〜
Sword Art Rider-Awakening Clock Up
決死の脱出
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ぐら)をかいた少年を紹介した。

「こいつはネザー。ボス攻略で一緒に組む仲……かな?」

「……そうなんだ」

微妙な紹介で終わったが、敵じゃない、と認識させただけまだマシだった。

「そういえば、なんでこの層にいるんだ?」

キリトに突飛な質問をぶつけられ、俺は少々戸惑った。

事実、俺は《アルゴ》から得た情報を元に見つけ出した__というより誘き出され、《センチピード・オートマトン》との戦闘を繰り広げた。パワーは互角といったところだったが、俺は渾身(こんしん)の一撃を喰らわせムカデ怪人を水晶に覆われた平原へと飛ばした。

だが__。

いつ頃か、水晶平原に倒れていたと思われたオートマトンが姿を消していた。クロックアップで逃げたことは容易に想像できたが、どうにも()に落ちないところがあった。

クイックフォームで戦っていなかったとはいえ、あまりに簡単だった。誰かの掌で躍らされた気分だ。その直後に、あの白いドラゴンが雄叫びと共に姿を現した。タイミング的にもおかしいと思った。

__もしもこれらのことが全て偶然でないとしたら。

俺をこの穴の底に落として殺すことが目的だったとしたら、あのドラゴンはオートマトンに利用されていた可能性がある。

いつの間にか、俺は目の前の2人に対してどう言い訳すればいいのかも忘れ、オートマトンのことで頭がいっぱいだった。ドラゴンを倒しに来た、と言っても疑われる可能性を考慮し、言った。

「……この層を探検してみたくなった。それだけだ」

と、いかにも嘘っぽい嘘をついた。

当然、キリトは「探検って……」と呟きながら呆れた表情を作った。

「まあ、一応理解はしたわ」

重くなる空気を入れ替えようと、リズベットが前に出て言った。

「よろしくネザー。あたしはリズベット。リズって呼んでね」

そう言って右手を差し出した。握手のつもりだろうが、俺は無視して地面から立ち上がり、腰のポーチから自分用のハイポーションの小瓶(こびん)を取り出し、即座に飲み干した。

「何よ、感じ悪いわね」

握手を無視されたリズベットは、不機嫌な顔をしていた。

ちらりと上空に視線を向けた俺は、2人に尋ねてみた。

「それで、ここを出る方法は何かあるのか」

「え、テレポートすればいいじゃない」

リズベットはエプロンのポケットを探り、青く光る転移結晶を取り出した。

結晶を握り締め、コマンドを唱えた。

「転移!リンダース!」

と、リズベットが叫ぶが、結晶はただ無言で(きらめ)くのみ。

「そんな……」

しょんぼりと俯いていると、キリトがぽん、と頭に手を置いてきた。そのままリズベットの髪をクシャクシャと撫でる。

「まあ、そう落ち
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