暁 〜小説投稿サイト〜
Sword Art Rider-Awakening Clock Up
リズベット武具店
[9/13]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
ムカデ。
その単語を聞いた時点で、そのモンスターが《オートマトン》だと予想した。ビートライダーの俺に言わせれば、虫の名前を聞いて真っ先に思い浮かぶ言葉はオートマトンだけ。
もちろん確証があるわけではない。だからこそ雪山の頂上で自分の眼で確認しに来たのだ。
脳裏で長い台詞を呟きながらも、調査は未だに続いていた。
……その拍子。
「俺を探してるのか」
「ッ!?」
突然、俺の背後から固い声が聞こえ、俺は咄嗟に振り向いた。
瞳に映ったのは、30代くらいの男性。茶色の髪に、白いシャツ、その上に防具を身に付けている。見たところ、あれは初期装備に極めて近い格好だ。55層でいまどき初期装備しているプレイヤーがいるはずがない。となると、この男は……。
「お前か。この辺りで噂になっているオートマトンは……」
俺が静かな声でそう告げると、男はニヤッと笑いながら唇を動かした。
「お前を待っていたぞ、《赤いスピードスター》」
この瞬間、俺は心から《奴》を呼んだ。
途端、空に出現した小さなワームホールからカブトゼクターが舞い降りた。ビューと翅音を鳴らしながら飛び回り、俺はそれを右手で掴み取った。
「変身」
いつの間にか腰に巻かれたゼクターバックルに、赤いカブトムシをセットした。
【Henshin】
電子音声が鳴り響き、ナノ粒子が全身を覆い尽くす。
スマートな下半身、アンバランスな鎧を纏う上半身をしたクリサリスフォーム状態のカブトに姿を変えた。
変身した俺に応じるように、男もまた、湧き出したナノマシンで全身を覆い尽くし、真の姿を現した。
発光する体を変形させて俺の目の前に現れたのは、頭部に2本の触角、口元に口器と顎肢を持つ、全身濃い赤色をしたムカデの怪人。噂通り、《センチピード・オートマトン》は実在した。
だが俺はキャストオフせず、クリサリスフォームのままで戦いを仕掛けようとした。
右のレッグホルスターから
銃形態
(
ガンモード
)
のカブトライザーを手に取り、相手に銃弾を放った。
雪道を登ること数十分、一際切り立った氷壁を回り込み、山頂に到着した。
「わあ……!」
雪地面から伸びた巨大なクリスタル柱が放つ虹色の光景に見とれ、リズベットは思わず歓声を上げた。もっと近くで見るため走り出そうとしたリズベットの襟首を、キリトがガシッと掴んだ。
「ふぐ!……何すんのよ!」
「おい、転移結晶の準備しとけよ」
その表情はやけに真剣で、リズベットは思わず素直に頷いていた。クリスタルをオブジェクト化し、エプロンのポケットに入れる。
「それから、ここからは危険だから俺1人でやる。リズはドラゴンが出た
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ