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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
リズベット武具店
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ムカデ。

その単語を聞いた時点で、そのモンスターが《オートマトン》だと予想した。ビートライダーの俺に言わせれば、虫の名前を聞いて真っ先に思い浮かぶ言葉はオートマトンだけ。

もちろん確証があるわけではない。だからこそ雪山の頂上で自分の眼で確認しに来たのだ。

脳裏で長い台詞を呟きながらも、調査は未だに続いていた。

……その拍子。

「俺を探してるのか」

「ッ!?」

突然、俺の背後から固い声が聞こえ、俺は咄嗟に振り向いた。

瞳に映ったのは、30代くらいの男性。茶色の髪に、白いシャツ、その上に防具を身に付けている。見たところ、あれは初期装備に極めて近い格好だ。55層でいまどき初期装備しているプレイヤーがいるはずがない。となると、この男は……。

「お前か。この辺りで噂になっているオートマトンは……」

俺が静かな声でそう告げると、男はニヤッと笑いながら唇を動かした。

「お前を待っていたぞ、《赤いスピードスター》」

この瞬間、俺は心から《奴》を呼んだ。

途端、空に出現した小さなワームホールからカブトゼクターが舞い降りた。ビューと翅音を鳴らしながら飛び回り、俺はそれを右手で掴み取った。

「変身」

いつの間にか腰に巻かれたゼクターバックルに、赤いカブトムシをセットした。

【Henshin】

電子音声が鳴り響き、ナノ粒子が全身を覆い尽くす。

スマートな下半身、アンバランスな鎧を纏う上半身をしたクリサリスフォーム状態のカブトに姿を変えた。

変身した俺に応じるように、男もまた、湧き出したナノマシンで全身を覆い尽くし、真の姿を現した。

発光する体を変形させて俺の目の前に現れたのは、頭部に2本の触角、口元に口器と顎肢を持つ、全身濃い赤色をしたムカデの怪人。噂通り、《センチピード・オートマトン》は実在した。

だが俺はキャストオフせず、クリサリスフォームのままで戦いを仕掛けようとした。

右のレッグホルスターから銃形態(ガンモード)のカブトライザーを手に取り、相手に銃弾を放った。











雪道を登ること数十分、一際切り立った氷壁を回り込み、山頂に到着した。

「わあ……!」

雪地面から伸びた巨大なクリスタル柱が放つ虹色の光景に見とれ、リズベットは思わず歓声を上げた。もっと近くで見るため走り出そうとしたリズベットの襟首を、キリトがガシッと掴んだ。

「ふぐ!……何すんのよ!」

「おい、転移結晶の準備しとけよ」

その表情はやけに真剣で、リズベットは思わず素直に頷いていた。クリスタルをオブジェクト化し、エプロンのポケットに入れる。

「それから、ここからは危険だから俺1人でやる。リズはドラゴンが出た
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