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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
リズベット武具店
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笛を吹く。完全に面白がっている。

「そういうことなら腕前を拝見させてもらおうかな。俺の名前はキリト。剣ができるまでひとまずよろしく」

リズベットは腕を組み、顔をふいっと逸らせて言った。

「よろしく、キリト」

「うわ、いきなり呼び捨てかよ。まあいいけどさ、リズベット」

「むか!!」

パーティーを組むにしては、最悪な第一印象だった。











黒衣の片手剣士キリトと、鍛冶屋兼戦槌使いリズベットが求める《その金属》の噂が鍛冶屋の間に流れたのは10日前のことだった。

SAOでは、最上層を目指すというのがもちろん最大のグランド・クエストなわけだが、それ以外にも大小様々のクエストが無数に用意されている。NPCにお使いを頼まれたり、護衛したり、探し物をしたりなど内容は幅広いが、大抵は報酬にそこそこレアなアイテムが含まれる上、一度誰かがクリアすると次に発生するのに時間がかかったり、中には1回こっきりのクエストもあると言われ、プレイヤーの注目度は高い。

そんなクエストの1つが、最近55層の片隅にある小さな村で発見された。

55層には、辺り一面が雪に覆われた《西の山》がある。その山の頂上に、水晶を餌にするドラゴンが住み着いており、そのドラゴンが体内にレアな金属素材を溜め混んでいると言われてる。今までにも大規模なパーティーやギルドが何度か挑戦したらしいが、実際にドロップできたのは少額のコルと装備アイテムくらいだったため、金属素材を入手できた者はまだいないらしい。

神速(スピーディー)》の異名を持つ忍者剣士は、クエストが目当てではなく違う目的でここに来た。

雪道を登ること数十分、一際(ひときわ)切り立った氷壁を回り込むと、そこはもう山頂だった。

山頂の雪は下の雪よりもたくさん積もっており、温度も遥かに低いと言えるだろう。厚着してなければ凍えるのは間違いない。

フードを頭に被っているが、寒さを(しの)げるような衣類は他にない。

格好もいつも通り。しかし、寒さを凌ぐ装備として充分だった。

山頂に辿り着いてみると、辺り一面には雪だけでなく、雪を突き破った巨大クリスタルの柱が地面から伸び、残照の紫光が乱反射して虹色に輝いてる。その光景はとても美しかった。

思わず歓声が出てしまいそうだった。

しかし……

俺は数秒で風景から眼を逸らし、気配を感じ取れるよう意識を集中した。俺がこの雪山に来た理由は、この世界で唯一俺が倒すことのできる《怪物》を探すためだ。

3日ほど前、俺はアインクラッド初の情報屋《(ねずみ)のアルゴ》からある情報を買った。その情報には、55層のどこかにムカデを模した見慣れないモンスターが出現する、という内容が記されていた。

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