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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
リズベット武具店
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ないじゃない。()ぐのはちょっと早いんじゃないの?」

「そうなんだけどね。ピカピカにしときたいのよ」

「ふうん?」

リズベットは改めてアスナを見やった。白地に赤の十字模様を染め抜いた騎士服にミニスカートの()で立ちはいつもどおりだが、ブーツはおろしたてのように輝いている。

「なーんか怪しいなぁ。よく考えたら今日は平日じゃない。ギルドの攻略ノルマはどうしたのよ。63層でだいぶ手間取ってるとか言ってなかったっけ?」

リズベットが言うと、アスナはどこか照れたような笑みを浮かべた。

「んー、今日はオフにしてもらったの。この後ちょっと人と会う約束があって……」

「へええー?」

リズベットは椅子ごとガタゴトと数歩アスナににじり寄った。

「詳しく聞かせなさいよ。誰と会うのよ」

「ひ、ひみつ!」

アスナは頬をわずかに染めながらそっぽを向く。リズベットは腕を組むと、深く頷きながら言った。

「そっかぁー、あんたこの頃妙に明るくなったと思ったら、とうとう男ができたかぁ」

「そ、そんなんじゃないわよ!!」

アスナの頬あいっそう赤くなる。咳払いをして、リズベットのほうを横目で見ながら、

「……わたし、前とそんなに違う……?」

「そりゃあねー。知り合った頃は、寝ても()めても迷宮攻略!って感じでさ。ちょっと張り詰めすぎじゃないのって思ったけど、春先から少しずつ変わってきたよ。大体、平日に攻略サボるなんて、前のあんたからは想像もできないわよ」

「そ、そっか。……やっぱ影響受けてるのかな……」

「ねぇ、誰なのよ。あたしの知ってる人?」

「知らない……と思うけど……どうかな」

「今度連れてきなさいよ」

「ほんとにそんなんじゃないの!まだ全然、その……一方通行だし……」

「へーっ!」

リズベットは今度こそ心の底から驚く。アスナは最強ギルドKoBのサブリーダーにしてアインクラッドで5本の指に入るかという美人で、彼女に言い寄る男は星の数ほどいるが、まさかその逆パターンがあろうとは夢にも思わなかった。

「なんだかねー、変な人なの」

アスナはうっとりと宙を見つめながら言う。口元には仄かな微笑が浮かび、少女漫画ならバックに盛大に花が舞い散ろうという風情(ふぜい)だ。

「掴み所がないっていうか……。マイペースっていうか……。その割には結構強いし」

「あら、あんたより強いの?」

「もう、全然。デュエルしてもわたしなんか5分も持たないよ。多分、彼の相棒的な人が影響してるんだと思うけど……」

「ほほー。そりゃあかなり名前が限られますなぁ」

リズベットが脳内の攻略組名簿を()り始めると、アスナは慌てて両手を振った。


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