暁 〜小説投稿サイト〜
Sword Art Rider-Awakening Clock Up
リズベット武具店
[11/13]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
て巨大な体がほぼ完成したと見えたところで、全身を震わせて再度雄叫びを放った。無数の細片が四方に飛び散り、キラキラと輝きながら蒸発していく。

姿を現したのは、氷のように輝く鱗を持った白竜だった。巨大な翼を緩やかにはためかせ、宙にホバリングしている。恐ろしいというより、美しいという表現が相応しい姿だ。紅玉のような大きな瞳が、高みからキリト達を睥睨(へいげい)している。

キリトが落ち着いた動作で背に手をやり、漆黒の片手剣を音高く抜き放った。すると、それが合図であったかのように、ドラゴンが大きくその門を開き、硬質のサウンドエフェクトと共に、白く輝く気体の奔流(ほんりゅう)を吐き出した。

「ブレスよ!避けて!」

リズベットは思わず叫んだが、キリトは動かない。仁王立ちのまま、右手の剣を縦にかざすように突き出す。

キリトの持つ剣でブレス攻撃を防げるものか、と思った瞬間、キリトの手の中心に、剣が風車のように回転し始めた。薄緑のエフェクトに包まれているところを見るとあれも剣技の1つなのだろうか、すぐに刀身が見えないほどに回転が速まり、まるで光の円盾のように見える。

そこに向かって、氷のブレスが正面から襲い掛かった。眩い純白の閃光。思わず顔を背ける。しかし、キリトの剣が作り出したシールドに打ち当たった冷気の奔流(ほんりゅう)は、吹き散らされるように拡散し、蒸発していく。

リズベットは慌ててキリトの体に視線を合わせ、HPバーを確認した。完全にブレスを防ないのか、じわじわと右端から減少していくが、呆れたことに数秒経つとすぐに回復してしまう。超高レベル戦闘スキルの《バトルヒーリング》だと思われるが、あれはスキルを上昇させるのに戦闘で大ダメージを受け続ける必要があるので、現実問題として安全に修行するのは不可能と言われてる。

一体、何者なの?

リズベットは今更のように、キリトの正体に思いを()せた。

これほどの強さを持つのは攻略組プレイヤー以外に考えられない。でも、《血盟騎士団》を始め、主だったトップギルドの名簿には該当する名前はないはずだ。

と、その時、ブレス攻撃が途切れたのを見計らったようにキリトが動いた。爆発じみた雪煙を立てて、宙のドラゴンへと飛び掛かる。

普通、飛行する敵に対してはポールアーム系や投擲系の、リーチの長い武器で攻撃して地面に引きずり下ろし、それからショートレンジの戦闘に持ち込むのがセオリーだ。でも驚いたことにキリトはドラゴンの頭上に迫るほどの高さまで飛翔(ひしょう)すると、空中で片手剣の連続攻撃を始動させた。

キュキューン、と甲高い音を立てながら、眼で追いきれないほどのスピードで攻撃が白竜の体に吸い込まれていく。ドラゴンも左右の鉤爪で応戦するものの、手数が違いすぎる。

長い滞
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ