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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
リズベット武具店
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のは大昔からの夢だったけれど、例えゲームの中とはいえ夢と現実とは大違いで、接客やらサービスの難しさは宿屋を拠点に露天販売をしていた頃から嫌というほど味わった。
笑顔が苦手ならせめて品質で勝負をしようと、早い段階から
遮二無二
(
しゃにむに
)
武器制作スキルを上げたのが結果的には正解だったらしく、幸いここに店を構えてからも多くの固定客がうちの武器を愛用してくれている。
一通り挨拶を済ませると、接客はNPCの店員に任せて、リズベットは売り場と隣り合わせの工房に引っ込んだ。今日中に作らなくてはならないオーダーメイドの注文が10件ほど溜まっているのだ。
壁に
設
(
しつら
)
えられたレバーを引くと、水車の動力によって
鞴
(
ふいご
)
が炉に空気を送り、回転砥石が唸り始める。アイテムウィンドウから高価な
金属素材
(
インゴット
)
を取り出して、赤く燃え始めた炉に放り込み、充分熱せられたところでヤットコで
金床
(
アンビル
)
の上に移す。片膝をついて愛用のハンマーを取り上げ、ポップアップメニューを出して作成アイテムを指定。あとは金属を
既定
(
きてい
)
回数叩くだけで武器アイテムが作製される。そこには特にテクニックのようなものは
介在
(
かいざい
)
せず、完成する武器の品質はランダムだけれど、叩く時の気合が結果を左右すると信じているあたしは神経を集中しながらゆっくりハンマーを振り上げた。地金に最初の一撃を加えようとしたまさにその瞬間。
「おはよーリズ!」
「うわっ!」
突然工房のドアがばたんと開いて、あたしの手元は思い切り狂った。金属ではなく金床の端っこを叩いてしまい、情けない効果音と共に火花が飛び散る。
顔を上げると、
闖入
(
ちんにゅう
)
者は頭を掻きながら舌を出して笑っていた。
「ごめーん。以後気をつけます」
「その台詞、何回聞いたかなぁ。……まあ、叩き始めてからでなくてよかったけどさ」
リズベットはため息と共に立ち上がり、再び金属を炉に放り込んだ。両手を腰にあてて振り返り、リズベットよりわずかに背の高い少女の顔を見上げる。
「……おはよ、アスナ」
リズベットの親友にしてお得意様の細剣使い《アスナ》は、勝手知ったる工房の中を横切ると白木の丸椅子にすとんと腰を降ろした。肩にかかった栗色のロングヘアを、指先でふわりと払う。その仕草がいちいち映画のようにサマになっていて、長い付き合いにも関わらずつい見とれてしまう。
リズベットも金床の前の椅子に座ると、ハンマーを壁に立てかけた。
「……で、今日は何?随分早いじゃない」
「あ、これお願い」
アスナは腰から鞘ごとレイピアを外すと、ひょいと投げてきた。片手で受け取り、わすかに刀身を抜き出す。使い込まれて輝きが鈍っているが、切れ味が落ちるほどではない。
「まだあんまりヘタって
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