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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
愛情=狂気
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尽くしたまま、グリムロックが掠れた声で言った。

「金のためではない。私は……私は、どうしても彼女を殺さなければならなかったのだ。彼女がまだ私の妻でいる間に」

丸眼鏡を一瞬苔むした墓標に向け、すぐに視線を外して続けた。

「彼女は……現実でも私の妻だった」

その場にいた全員が心の底から驚愕し、小さく口を開けた。俺の顔にも、無表情なわりに驚きの色が走っていた。

「私にとって、一切の不満のない理想的な妻だった。可愛らしく、従順で、ただ一度の夫婦喧嘩すらもした事がなかった。だが……共にこの世界に囚われた後……彼女は変わってしまった」

グリムロックは帽子に隠れた顔をそっと左右に振り、低く息を吐いた。

「強要されたデスゲームに怯え、恐れ、怯んだのは私だけだった。彼女は現実世界にいた時よりも、遥かに生き生きとした充実な様子だった。戦闘能力や状況判断に()いても、グリセルダ……いや、《ユウコ》は大きく私を上回っていた。彼女はやがて《黄金林檎》を結成し、メンバーを集め、鍛え始めた。その様子を(そば)で見ていた私は、認めざるを得なかった。私の愛したユウコは消えてしまったのだと。例えゲームがクリアされ、現実に帰還できたとしても、大人しく従順だった妻は戻ってこないのだと」

前合わせの長衣の肩が、小刻みに震える。それが自嘲の笑いなのか、あるいは喪失の悲嘆なのかは、判断できない。囁くような声は更に続く。

「……私の恐れが、君達に理解できるか?もし現実に戻った時……彼女に離婚を切り出されでもしたら……そんな屈辱に、私は耐えることができない。ならば……ならばいっそ、合法的殺人が可能な、この世界にいる間に、ユウコを、永遠の思い出の中に封じてしまいたいと願った私を、誰が責められるのだ?」

長く、おぞましい独白が途切れても、しばらく言葉を発する者はいなかった。

キリトは、自分の喉からひび割れた声が押し出されるのを聞いた。

「……そんな理由で、あんたは自分の奥さんを殺したのか!?」

背中の剣に走ろうと一瞬震えた右腕を、キリトは左手で強く押さえた。

ゆるりと顔を上げ、眼鏡の下端だけをわずかに光らせて、グリムロックは囁いた。

「私には充分すぎる理由だよ。君達にもいずれわかるよ。愛を手に入れ、それが失われようとした時にね」

「いいえ、それは間違っているわ」

反駁(はんばく)したのは、俺でもキリトでもなく、アスナだった。

「あなたがグリセルダさんに抱いていたのは愛情じゃない。ただの所有欲だわ!」

その思いがけない言葉が吐かれた瞬間、グリムロックの肩が小さく震えた。まるで身体に電流が走ったかの様な感覚に苛まれ、地面にしゃがみ込んでしまった。

更にアスナが続ける。

「グルセルダさ
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