暁 〜小説投稿サイト〜
Sword Art Rider-Awakening Clock Up
愛情=狂気
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の男の背中に下げた状態で歩いてきた。男は、かなり身長が高く、裾の長い革製の服を着込み、つばの広い帽子を被っている。帽子の陰に隠れる顔にはメガネを付けている。
「グリムロック……さん?」
アスナとキリトの連れてきたこの男こそ、《黄金林檎》の元サブリーダーだった《グリムロック》。服装を変えても、面影が残っていたため、ヨルコには誰なのかがすぐにわかった。鍛冶屋というより、香港映画などに出てきそうなヒットマンを思わせる雰囲気だった。
「やぁ。久しぶり……と言うべきかな」
俺はグリムロックと正面で向き合うように体を向け、鋭い眼を当てながら言う。
「これで役者が全員揃った。主役のあんたがいなければ、始められないからな」
「どういうことですか?」
ヨルコは再び首を傾げ、眼で問い質してくる。
俺が両眼を
瞑
(
つぶ
)
りながら全体に届くように、衝撃の言葉を放つ。
「グリムロック。彼が……グリセルダを殺した真犯人だ」
「「「えぇ!?」」」
《黄金林檎》の元メンバーだったヨルコ、カインズ、シュミットは不思議と疑問の混合したような表情を浮かべな、驚愕の叫びを放つ。
「ほう。私が犯人だと言うのかね、探偵君?」
犯人と指摘されながらも、低く落ち着いたその声の後に質問をした。
「ならば君の推理を聞かせてもらおうか」
そう言った瞬間、辺りが数秒間の沈黙に覆われた。
その沈黙を破るかの如く、俺が事件を解決へと導いた自分の推理を口から放つ。
「あんたが犯人だと気づいたのは、グリセルダとの結婚がきっかけだ。殺人と結婚が無関係だと思っていたせいで、気づくのに時間がかかりすぎたがな」
最初の推理を話し始めると、周りの連中は皆黙って話を聞いた。
実のところ、この場所に向かうまでキリトとアスナにもすでに推理を聞かせた。その推理をもう一度話すことになるのだから、まるでスピーチのリハーサルを終えて、本番に入る気分だ。
「まず、SAO世界に
於
(
お
)
ける結婚システムは、互いのステータスやアイテムストレージが共有化され、所持容量も2人分となる。だが片方が死ねば、そのアイテムは全てもう片方のものになる」
ここまで言えば、今回の《圏内殺人》を引き起こしたヨルコとカインズにも察しが付く。
「当然グリセルダが死んでも、指輪はあんたのアイテムストレージに収納されたままだ。つまり、指輪は盗まれたんじゃなく、グリセルダが死んだ日から、あんたの手中にあったということだ」
結婚したプレイヤーのアイテムストレージは完全に総合され、所持容量限界は2人の筋力値の合計にまで拡張され、大変な利便性をもたらすと同時に、レアアイテムを持ち逃げするような事に見舞われる危険も生じる。
「その後、あんたは指輪を売
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